どちらも主人公
★★★★★
なるほど、1巻で義元、信秀を掘り下げ、この2巻で信長を掘り下げる・・・そういう手法で来ましたか。
という事は、最後のページからも窺えますが、3巻で桶狭間の戦いとなるんでしょうかね。
織田家、今川家、どちらか片方だけに肩入れするのではなく、双方を主人公に仕立て上げたようですね。
後世の俗説に毒されていない、名君として描かれた義元が、桶狭間でどの様な行動を取るのか・・・
うーん、今から気になって気になって仕方ありません。
ああ、それでこの2巻の信長ですけど。
他のメディアではさらっと流されがちな、「うつけ」時代を濃密に描いています。
更には信長が生涯、ただ一人、本気で愛したとされる生駒氏の吉乃も登場しますので、
青年期の信長に興味がある方も、読んでみては如何でしょうか。
あらゆるジャンルで散々描かれている人物を、また新たな魅力を引き出して描いた著者の力量には、頭が下がる思いです。