古代版『深夜特急』をみているようだ
★★★☆☆
悩める若者が旅に出て
同じような沙門(苦行僧)と修行に励むがそこからも旅立ち
遊女に溺れ、商売人の下で業にまみれ、いつのまにか財を気づく
ふと無常観に襲われ何もかも捨てまた旅に出る。
そうしてまた一歩、心理に近づく・・・。
心の平安に近道はなさそうですね。
いま、ここにある現象を平静に受け止められるアートマンをみつめること。
生まれたときに、そういう機能を植えつけてくれていたらどんなに楽だったか(笑)。
神様も意地悪ですね。
魂の救済はどのようにして成し遂げられるのか?
★★★★★
人間が、自ら持つエネルギーのほとんどを注ぎ込む怒りや憎しみ、さらには恐れや不安。学校や道徳教育の中においてではなく、あらゆる汚れや罪を実体験として経験し、絶望の中をさまようことによってはじめて、シッダールタはそれらの苦しみから解放されることができたのである。
まるでもう一つの人生を生きているように
★★★★★
この物語りが多くの人を惹きつけ、魅力的であり続けるのは、
主人公に自分自身を重ね合わせながら、
主人公の人生を生きるように悩み、苦しみ、感動しながら、読み進められるからだと思います。
きっと主人公の悩み・苦しみが、著者自身の悩み・苦しみであり、
著者の真摯な生き方が文章からにじみ出ているのでしょう。
ヘッセによる仏教への質問
★★★☆☆
ヘッセによる仏教への質問、それが小説の形となっている。
シッダールタという少年が、いろいろな体験、人との出会いを通して、「真理とは何か」、「生きるとは何か」と探し、やがて老人になり、いろいろなことを知る、そういう話です。別の道を歩んだ幼なじみ、仏陀、遊女、河から多くのことを学んだ先輩、そういう人たちが登場します。
若い頃のシッダールタは言います、「僕のできることは3つだけです、考えること、待つこと、断食すること」と。特に最後の断食できるのは、強みですね。
年老いたシッダールタは言います、「言葉だけでは、本当の真理を伝えることはできない」と。したがって、「人は自分の体験を通してのみ、自分の道を見つけることができる」のだと。
この小説を読んで、僕の中の何か(思想)が少し変わったような気がします。後、10年くらいたって、もう一度読んでみたい気がします。
解説によると、世界中で、1000万部以上発行されたそうです。
僕は、ヘッセのエッセイも好きです。
真理がわかる小説
★★★★★
この小説は既に文庫本化されていますが、それとは翻訳者が違います。私は文庫本の方は読んでいないのですが、こちらは単行本なので字が大きくて読みやすいと思います。
小説の内容はシッダールタが裕福な生活を捨てて放浪の末、悟りを得るまでの話。小説ですが、真理について奥深く語られています。現代人、特に忙しく生きる人にお勧めします。真理について考えさせられるでしょう。