トリエラの本当
★★★★★
トリエラの真実に関しては既出のエピソードが多いのであまり感慨深くはならないが
ヒルシャー側の視点がより詳しく描かれている←といってもなんか説明が荒い感じもするけど。
前巻のアンジェのエピソードからは、終わりが近づいている子は義体化前の記憶が不完全な形でよみがえる
(アンジェの場合は犬)というのが明らかになったが
トリエラは自分の来歴を聞かされても現実感がないとしているので、まだまだメインキャラクターなのか?という疑問も。
個人的にはトリエラの外観が超ドンピシャで好みなのでそれはそれでうれしい。
ただし、トリエラもあきらかに味覚障害や薬による副作用が発生しているという伏線は出ている。
ただ、義体の子供たちはあきらかに考え方が大人びていてそれでいて描かれ方は子供というところが違和感を感じるので、
恋愛感情を示唆されてもなんとなくピンとこないし、師弟愛で良いんじゃないかという感じ。
2期生(ペトラ以外がけっこう登場。ただし何してるかまだ良くわからない状態)は
1期生よりも大人っぽく描かれているので、現代のイタリアかつアモーレの国の子供たちっぽい。
より現代のイタリアっぽい感じで、かつ見た目と年齢が相応な表現が含まれているように感じた。
比べると1期生はなにかにつけ戦前ぽい真面目なイメージが付きまとう。
2期生はより現代っぽいのだが、なにより混在しているので違和感のみ残る。
ずっとトリエラのターン!
★★★★☆
この巻、ずっとトリエラのターン!
そんな内容。
表紙がネタバレなのが憎いです。
この巻では、4巻で少々触れられたトリエラ・ヒルシャーの過去がより詳しく描かれます。そしてその過去をトリエラは知ってしまいます。感情があふれるトリエラ。
冷静なトリエラが好きだという人は見ないほうがいいですし、むしろトリエラとヒルシャーの関係が気になって仕方ない人はぜひ読むべきです。
9巻、10巻と一期生にまたフォーカスが戻ったものの、その描き方はやはり6巻以前とは違ってとても生き生きとして感情的になっています。5,6巻までの落ち着いた雰囲気が好きなで、それにこだわる人には合わないかもしれませんが、人間的な感情を爆発させる、という吹っ切れた描写が好きならぜひとも読みましょう。
ただし6巻からの方向転換にいまだ違和感も感じているので★4つ。
生きる意志、生きた意味
★★★★☆
メディアワークス刊・月刊コミック電撃大王連載
相田裕作「GUNSLINGER GIRL」第51〜58話を収録したコミックス10巻です
ヨーロッパの社会福祉公社という建前を持った政府の超法規的諜報機関を舞台に、
五共和国派(テロ)との政治抗争と、異常な身体能力の「義体」として
生まれ変わった少女達の堕ちゆく様をクールに描いたドラマ要素の濃い作品です
(総合7/10点)
今まで当人の知りえなかった事の真相を暴露した
ヒルチャーの献身的で愛ある人柄、トリエラの葛藤と涙は胸にグッとくるものの、
7巻でほぼネタばらし済のためか、衝撃度が幾分薄く感動必至とまで
感じられなかったのが残念です。ただ、前巻で完全に「転」までお話が到達した分
最期を見据えた終末の悲壮感がさらに強まったのは事実で、
ダラダラ続けず、第1期生達の終着駅を見据えた割り切りの良さが秀でています。
作画に関しては相変わらずデッサンの微妙な不安定感は拭いきれませんが、
画面内の黒色が実に締まっており、話の展開の憂鬱さに拍車を掛けているようにも
感じられました。(前巻と比べると、灰色と黒の中間の境目をボカすことで
立体感を向上させているのが良く分かります。)
トリエラファンは読まなきゃダメですな
★★★★★
トリエラファンは読まなきゃダメですな。トリエラの知った絶望と幸福。歯をギリギリとさせ読みました。 トリエラはもう迷わない。鼓動を止めるときは笑って逝くでしょう。ヒルシャーとトリエラ。彼らの共にすごす時間に幸あらんことを。 トリエラは幸せを手にいれたと想いたい。 読み応えあり。 早く続きを。買って損無し。
一期生、最高潮
★★★★★
アンジェリカの死が描かれ、一期生を取り巻く雰囲気が一変した本作。
9巻では涙を誘われた人も少なくないのではないでしょうか。
前回を悲涙の物語とするならば、10巻の大台となる今回は感涙の物語。
哀しみの後にほんの少しの安らぎを。
最近のガンスリは一味違う気がします。
というわけで、衝撃のアンジェ死去から明けて今回の話。
メインはヒルシャー・トリエラのフラテッロ。
あらすじ:
アンジェの一件でこれまで以上にトリエラを守護しようと決意を新たにしたヒルシャー。
それも全て、戦闘の道具としての義体ではなく一人の少女として少しでも長く生きてもらうため。
しかし彼の想いに反しトリエラはその気持ちを汲んではくれない。
このまま想いはすれ違い続けるのか。
しかしそんな折にトリエラはある人物との再会を果たし・・・。
個人的にこのペアには思い入れが強かったため、今回訪れた転機によってトリエラの心境に変化が見られ、生きることへの姿勢が変わったこと。
そして何より、二人がより良好な関係となったことが非常に感慨深い。
アンジェ、トリエラと立て続けにクライマックスを向かえている観のある一期生の物語。
この巻の終盤ではいよいよクローチェ兄弟と過去の事件を巡るストーリーが核心入りする素振りを見せ、次はヘンリエッタを主軸にストーリーが動きそうな気配。
まだまだ終わらない、終われない、終わらせない。