ファンタジーで終わらない物語
★★★★★
元々の「とりかえ風花伝」は単行本で買って読んでいて、先を楽しみにしていたのにあえなく3巻で終了。こんなに奥が深そうな話なのに打ち切りになったのかと当時はさみしく思いました。まさか同人誌で続きが出ていただなんて!
それが今回単行本化し、最後まで読むことができてとても良かったです。同人誌であるがゆえに作者の自由に描け、でも同人誌に陥りやすい脱線もなく。
それにしてもあんなラストとは!
表紙の意味を下巻を読みだすまで気づかなかった…
この物語の魅力はみんな幸せになってよかったね、の裏にあるものの重さです。
笑顔の奥にみんな痛みを持っている。その痛みがあるから、今日という日を生きる悦びを感じ、時に過去の記憶に苦しむ。
室町時代が終息に向かう、時代が大きく動く兆しが見え隠れする時代。
下巻が読み終わらなくて会社に持って行き、昼休みにティッシュで鼻をかみながら読みました。
これが読めて本当によかった!
素晴らしい。期待以上でした!!
★★★★★
十何年も前に、この方のまんがは新しい作品がでれば、手にしておりました。本屋で完結編を発見してびっくりです。
この作品に完結編というものがあったなんて。
表紙を見たとき、なんとなく終わりかたが想像出来てそんな終わりかたなの?と不安になったのですが・・・。
この本を手にすることが出来ててよかったです。
信貞様も間違いなく、この作品の主人公です。
完結編を読んで、惚れました!!
今だから受け入れられる衝撃のラスト!
★★★★★
異形とその強さから鬼と呼ばれる白鬼丸と、乾山領主の姫・風花はキスをすると中身が入れ替わってしまう不思議な関係。
LaLaDX連載終了から数年の時を経て、ようやくここに完結です。
内容は『完結編』の元が作者直筆の同人誌であるだけに、描きたかったのだろうサイドストーリーがふんだんに詰め込まれた上下2冊となっております。
そして、そのラストは・・・
正直大人になってから読めてよかったと思います。
中学生の自分(連載当時)では、きっと受け入れられなかっただろうなぁ・・・と(笑)
これを読んで、なんだやっぱりハッピーエンドじゃないか。と言う人もいると思います。
けど、手放しにハッピーエンドだと喜ぶには、彼らの失ったものは大きすぎるのではないでしょうか。
異形の野伏×領主の姫の入れ替わりストーリーというファンタジックを抜きにしても、
きっと身分や、政治や、そのほか多くの部分で人を愛することが不自由な時代だったのだろうな、としみじみ感じました(笑)
とにかく、昔「とりかえ風花伝」を読んでいた人は絶対読んでいただきたいです。
きっと大人になった今だからこそ、このラストを受け、また思い入れることができと思いますので。。