拗ねるダリアンも愛(笑)!
★★★★★
この巻も今まで同様、ダリアン&ヒューイが幻書が起こす様々なトラブルに巻き込まれます。
全てがハッピーエンドとはいかないけれど、必ずどこかに救いのあるお話です。
ダリアンの暴言や、彼女がヒューイや周囲の人達との関わりの中で見せる、可愛い行動や表情にも注目のシリーズです。
特にこの巻は、ヒューイが他の女の子と少しでも親しくすると、それに妬いて拗ねるダリアンがとても可愛かったです。
そして印象的だったのが、『連理の書』の最後で見せたダリアンの表情と、その言葉。この物語の根底にある、読姫としての存在の謎が関わって来るのでしょうか。
今後とも目の離せない作品です(^-^)/
復活したダーク
★★★★★
2巻、3巻とダークファンタジーのダーク部分が薄れ、単なる不思議なファンタジーになっていったことに、物足りなさを感じたものでした。
この4巻では、ダークな雰囲気が復活しました。
第1話「間隙の書」では、本の隙間から血まみれの死体が出ますし、第4話「調香師」では魔の香水に振り回された人々の血まみれの物語が語られます。
そしてなんと言っても、第5話「幻書泥棒」です。
シリーズのもう一方の主人公である焚書官と謎の書架の少女、幻書泥棒、魔女、と個性豊かなキャラクタが登場します。古びた城を舞台に、ゴシックロマン風の惨劇が描かれます。魔女にねらわれる少女について意外な正体が用意されていたりするのもいいです。
シリーズものですが、単独の巻でも十分に楽しめます。
興味を持たれた方は、例えばこの第4巻だけでも読まれてみてはいかがでしょうか。
力を手に入れるコトが良いコトとは限らない
★★★★★
短篇5本と幕間2本の7話構成、短篇のうち1篇が書き下ろしです
『幻書』を手に入れてしまった者とその周囲の人間を描いた物語
力を手にするコトが必ずしも良いコトというワケではなく、
使い方を誤ってしまったために破滅に至ったり命を落としたりしてしまう場合も……
様々な角度からあの手この手で描いてくるので飽きるコトなく楽しんで読めました
ヒューイを罵倒しているわりに、登場する女性キャラに嫉妬するダリアンが可愛い
別れに関する意味深な発言をしてみたり、徐々に物語的にも関係的にも進展しているように思えます
また、ヒューイとダリアンだけじゃなく、焚書官のハルとフランがメインの話もあって、
別視点から書物を捉えていたりと、見所満載でした
幻書の本質や核心に触れられる日も近いんじゃないでしょうか
一話一話が非常に面白く濃厚な内容なので、1冊で何冊分も楽しめた気がします
4巻だけでも十分に楽しめる仕様となっているので、1巻から読むも良し、4巻だけ読むも良し
『付喪堂骨董店』を楽しんでいる方はこちらもオススメです
相変わらず可愛いですねダリアン。外見も口の悪さも(笑)
★★★★★
毎度のように幻書と甘い物(笑)を求めてあちこち飛び回っているダリアンと、それに付き合わされるヒューイ。そして事あるごとに飛ばされるダリアンの悪口雑言は動物などに例えられることが多いことと、ダリアンの外見の可愛らしさもあって微笑ましく思うのは私だけでしょうか?
まあそれはともかく、この巻でも幻書というギミックを通して人々の情熱や欲望が描かれております。
そして、この巻で登場する、幻書の知識を用いる人の多くは大抵純粋な情熱とそれに裏打ちされた能力を持つ人が多いのですが、大体それは邪な欲望に利用され、歪んだ形で発揮されてしまい、それを精算するために貴重な幻書や才能が失われてしまう結末に、読んでいて悲しかったです。
そんな中で、今回初登場する少女ジェシカは幻書の超常の力やダリアンの悪口雑言(笑)にもめげず、ダリアンにリベンジを志す所が微笑ましく、今後の動きが楽しみです。