地域医療の崩壊
★★★★☆
医療行政の転換から疲弊し、崩壊する地域医療の問題を扱っています。
トリック要素がないだけに、正面から問題を捉えているなという印象を受け、
この問題に対する重大さが垣間見れました。
病院を支えつつも逮捕された三枝部長の
「一生懸命やっても、結局私みたいになるんじゃ、
後藤君の生き方が正しいんじゃないかと考えてしまった」
という言葉が非常に印象的でした。
後藤君は本作品の中で、適当に仕事をこなす「クズ医者」として
表現されている人物です。
もしも、医療従事者のモチベーションが低下したらどうなるのだろう、
っと思うと背筋が寒くなります。
この崩壊した病院がどう再建されるのか・・・
ぜひ続きが読みたいと思いました。
軽いタッチで読ませてくれます
★★★★☆
ワクワク感がでてくるのは70%くらい読み進んでから。それまで辛抱しましょう。軽やかな流れに包んで、最近の複数の医療問題に触れていくのですが、現場の者としてはニヤリ(あるいは同感と疲労感)、一般の方々にはちょっとピンとこないかも。海堂先生、まだまだたくさん作品を発表してくださいね!
なぜ評価が高いのか?
★★☆☆☆
海堂先生の旧作を一通り読んで、今回この本を読みました。かつてのキャラクターもぽつぽつと出てきて、最後に世良先生が出てきて「おぉ〜!」と思ったら、はいお終い。。。いろんな謎がさっぱり解決されずに、すっごく消化不良です。
他の本でも謎を残して終わるケースは多かったが、イノセンスは続きがありそうで我慢できるが、今作は果たして続きがあるのだろうか?海堂先生はどの本から読んでも楽しめると言っていたが、本作はファン以外には厳しいと思います。せめて、あともう1章書いてくれればと切に思いました。
本作のレビューをみると、内容に比べて星の数が多い気がします。いかがでしょう?
現実をベースにエンターテイメントに昇華
★★★★☆
官僚主導による医療制度改革の煽りをくらい崩壊しつつある地方医療
そういった現実の社会問題をベースにしつつも、見事エンターテイメントに昇華されていました
また、タイトルからもわかるように、クレーマー問題も絡めてきます
ただ、本作にでてくる医療事故の遺族は、クレーマーではありません
このあたりの捻りは流石だ
医療行為にはリスクはつきものだ
ただ、そのリスクは場合によると命だ
遺族にとっては医療ミスではなく、たとえ医療事故だとしても割り切れないものがあるのはわかる
難しい問題であるとは思うが、訴えられる医師側としてはたまったもんじゃないだろう
一方的に、自分の要求ばかりをする品性の無い人間にはなりたくないものだ
桜宮サーガは続くよ・・・
★★★★☆
バチスタで圧倒されてから、ほとんど関連作品は読んでいます。でも、やはりバチスタがキャラクター設定では一番面白かったな、と思っていたら、極北クレイマーは久しぶりに「痛快」でした。
海堂作品で際立つ大学病院・医療事故・厚労省といったモチーフは素人には素直に楽しめるし、必ず「論理的」な思考をする人と「論理破綻しているね」な人が出てくるやりとりも面白いですよね。(余談ですが、一連の作品から自分も論理学に興味を持ち、論理的に話したいと思うようになりました。)
それに加えて魅力的なのが、やはりパッシヴ・アクティヴフェーズの面白さ。言葉の選び方が的確なので、読者はやられっぱなしです。それが、今回の極北では、病院の査定者というキャラが思いっきり斬りまくってくれるので、電車内でクスッと笑ってしまうこと、数限り無でした。また、今までもう少し深く知りたかった姫宮嬢も活躍してくれ、満足がいきました(願わくばもっと!)
桜宮の「つめが甘いわね」が口癖な人物が「甘えん坊さん」を新たな口癖にして登場してきたと思われますが、彼女の敵は?京都には何が?斑鳩の狙いは???続編もかなり期待しています♪