のれない
★★☆☆☆
どうにものれません。のせてもらえません。
文体は簡潔で、個人的には好きな文体のはずなのですが、どうにも、ゲツゲツとつかえて、心地よい小説世界に浸らせてもらえません。
(1)
地の文のせいでしょうか。
セリフと地の文が、なんだかうまく合っていない気がします。
そもそも、しろうと目にも、よけいな地の文が多すぎる気がします。
セリフひとつにつき、必ず地の文でそのセリフを言った人の所作が説明される、というのは、やはりよけいすぎるでしょう?
(2)
あと、場面のリズムも、私は気になりました。
著者がシナリオライターだからでしょう。ひどくカットが多いのです。
例えば、ある人物が、A地点からF地点へ行くとき。
その途中の、B地点のカット、C地点のカット、D地点、E地点のカット、とあって、やっとF地点へ到着です。
テレビドラマではおなじみのカット割りですが、普通の小説なら、もっとなめらかに処理するか、あっさりと省略してすますところではないでしょうか。
とにかく、どうにものれません。
もうしわけありませんが、第1話限りで読むのをやめました。
もし、第2話以降、すばらしく盛り返しているのでしたら、お詫びいたします。