殆ど全ての曲がメインタイトルのアレンジ風になっており、統一感がある。が、悪く言えば似通っている。

だが、メインタイトルと怒り狂うゴジラを高音質で聞けるだけでも買う価値があるサントラだ。
「ガメラ」「ワンダと巨像」などの音楽を手掛けた大谷幸さんが作っただけあり、最高の音楽に仕上がっている。

監督が金子修介になったため、ガメラで組んでいた、大谷幸氏が音楽を担当。
重厚でスケールの大きな音楽、それに幻想的な要素が加わっています。
『ガメラ３』も伝奇的な要素がありましたが、本作も『護国聖獣伝奇』であり同様の雰囲気がありますが、
こちらのほうがメロディがはっきりと前面に出ていて、のりやすいです。
伊福部昭氏の音楽から「ゴジラのテーマ」「怪獣大戦争マーチ」のみ引用していて、
観客へのサービスとしては劇場の大スクリーンで聴けることはうれしかったですが、
やはり別の作曲家の曲がいきなり入るのは、少し違和感があります。
きっと伊福部昭氏も作品全体の中で構成・作曲したものを抜き出して、
他の作品に流用されることは本意では無いでしょう。（おそらく大谷氏も。）
鳴き声等効果音も収録されていて、アルバムとしては楽しめます。

ガメラで手腕を見せた大谷幸が金子修介とコンビを組んでGMKを完成させた。さすがといったところでかなり臨場感のあるスコアを書いた。特に防衛隊のシーンで流れた曲はかなりかっこいい出来になっている。伊福部昭のイメージもあまり崩すこともなく出来ている。ただ、惜しむらくはシンセや電子ドラムなどが入ってしまったことだと思う。

平成ガメラ・シリーズの金子修介監督がゴジラを撮るとは、ファンにとってはスピルバーグがスター・ウォーズを撮る様なもの。

そしてその音楽がやはりガメラの大谷幸が登板となればこれはもう夢の二重奏！！

伊福部スコアもニヤリとするところで巧みに入り、旧ゴジラ・ファンへの配慮も忘れていません。

今から本編のＤＶＤ発売が待ち遠しい。