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英語教育原論

価格: ¥2,730
カテゴリ: 単行本
ブランド: 明石書店
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「英語教育」をとらえ返す大きな視点 ★★★★★
  寺島岐阜大教授の最新刊を一読、再読して思うのは、学
校英語教育の現場で教師が苦しむのはそれなりの理由があると
いうことです。「学力低下」の原因を教師の指導力不足だけに
求めるのは片手落ちだということが、本書を読んでよくわかりま
す。 
  「10年も学校で勉強して、ろくな英文も書けない日本人」、
「アジア諸国と比較したTOEFLの平均点の低さ」、「日本の英
語教育は遅れている」というような言葉を何度も聞かされると
現場の担当者は身がすくむ思いをします。
 しかし、大きな視点からその本質をとらえ返すとまた違った
側面が明らかになります。「JETプログラム」、「学校五日制」、
「英語週3時間」などが行政決定される経緯などは一度はき
ちんと知っておくべきことがらでしょう。大きな流れとなって動き
始めた「小学校英語」についても、その現状と今後の方向性に
ついてしっかりとした見方を持つ必要があります。
 本書は 、「英語コンプレックス」に翻弄され続ける日本の英語
教育に、未来社会を担う世代への真の責任は何なのかを鋭く
問うています。それは「告発」ではありません。とくに現場で
日々苦しんでいる英語教師への力強い励ましになっています。

一言編集者の方へ。表紙のGeorge Orwellの言葉はポイ
ントが小さすぎます。著者から読者への意味ある「謎かけ」であ
ることを一人でも多くの人に理解してもらうためにも、心持ち
大きくしたほうがいいと思います。とくに最近老眼の進行が
速くなった私などは人に指摘されるまでわかりませんでした。

  
教育に関心のある人の必読書 ★★★★★
『英語教育原論』という題名から難しそうな本だなと思いましたが、面白そうな目次にひかれて読んでみると非常に分かりやすくて、ぐいぐいひきつけられてゆきました。
 著者は英語教師の仕事として3つあげていますが、その第一が「英語だけが外国語ではないんだよ、と教えること」という意外なもので、かつて英語教師だった私自身は「なぜそんなことが?しかも第一の仕事なのか?」と疑問に思いながら読みすすみました。
 著者はたびたび「教育は政治と経済の影である」というチョムスキーの言葉を引用していますが、その実態が様々な事実を通して実に良く見えてきて、これが私の疑問にたいする明快な回答となりました。そして英語教師は、何のためにどんな学力をつけるのかを考えなければ、単に教育の「家畜化」に手を貸すことになる、という著者の鋭い指摘にどきっとさせられました。
 この8月打ち出された指導要領改訂では、英語教育を小学校へ一律に導入しようとしていますが、それについても「それを全国の公立小学校で強制する必然性はないし、英語である必要もない」「中学校からでも英語教育は遅くないし、中学校の英語教育こそ改善が求められている」ことを多方面にわたって論証していて非常に説得性があります。
 先日、或る小学校の先生が「英語の導入では本当に困っている。自分の周りで賛成する人はいない」とこぼし、管理の強化された息苦しい学校現場では、英語教育導入に意見や疑問を表明する事さえできにくくなっていると言うのを耳にしました。現場で苦しんでいる小学校の先生たちにこそ是非この本を読んでいただきたいです。そして元気を出していただきたいです。
 と同時に、この本は単に英語教育だけでなく、学力世界一のフィンランドの教育や安倍政権がモデルとするイギリスの教育を視野に入れて論じているという点でも、教育に関心のある人すべて(特に親御さん)にとっての必読本ではないかと思いました。