うふっ!てへっ!
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ふろくCDがたまりません!素の圓生師匠の話す表情まで想像してしまい、聞いているだけで幸せいっぱいなき持ちになれます。「えへへへッ」、「うふふふッ」「くくくッ」という嬉しそうな声がたまりませんねえ。談志師匠を唄う圓生師匠も新鮮です。
圓生さんは「ケチ」とか権力に媚びて・・とか、プライドが高いとか、女性問題がどうの、とか聞いて(そりゃあ女性がほっときませんわ)、贔屓の私としては「何、みんなそんなこと言って。噺のうまさ、総合力では誰よりもいいじゃないの」と思っていたけど、現代の噺家さんたちが圓生師匠の素晴らしさをまた、素晴らしい口調で語っているのを読んでとても嬉しくなった。特に立川談春師匠の「何をやってもうまいのが圓生」に、大感激。私自身も、圓生落語には完全に間に合っていないのだが、これだけの録音が残っていると、録音の技術があって、圓生師匠のうまさを残せる技術のある時代を生きてくれた圓生さんに本当に感謝したくなる。間に合わなかったこれからの時代の落語ファンにも、昭和の名人が伝えてくれる。税込み2400円、安いです。
笑うだけでそれが一個の「芸」になっているというのは、弟子の五代目圓楽さんもそうでしたね。笑点での司会で「ガハハハハ」と豪快に笑っていた姿。「絵になるんだよ」というのが素敵な噺家さん。この本に登場する現代の名人も皆さんステキです。
現代の名人が語る、昭和の名人・圓生!
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本書の、志の輔が圓生を語るページに、“圓生師匠は、私たちの年代にはとてもわからない、落語界全体を見渡したうえで選ばれた道を歩まれたような気がします”というフレーズがある。6月9日、横浜にぎわい座の高座で、志の輔は圓生ゆかりの「江戸の夢」を口演した後、圓生への思いのたけを語っていたが、このフレーズが非常に感慨深い。かつて、1978年の落語協会分裂騒動の折り、志ん朝は圓生と行動を共にしようとした……、圓生に多くの薫陶を受けていたからこその志ん朝の決意だったはず。 あれから30余年の時を経た現代の落語界。そして本書に登場する現代の名人たち、志の輔、談春、市馬、志らく、喬太郎、鯉昇、三三、菊之丞……と、三遊派以外のこれだけの実力者に讃えられる圓生の魅力を追求した一冊。名人こそ名人を知るということか。現代の名人たちが圓生への思いを綴るインタビューページでは、圓生のさまざまなネタの魅力も捉えられていて明解。また圓生の初孫で内弟子を経験した鳳楽なればこそ知る、圓生宅での志ん朝や小三治の稽古のエピソード、圓丈が語る、圓生の稽古の内容も深い読み応えである。多くのプロのテキストになっている圓生全集、圓生百席。落語ファンにとっても、至高の財産であることは間違いない。圓生を手にとりやすい形でまとめた一冊。落語ファン必携の良書である。CDでは、圓生が談志を謳っているのも興味深い。
“「圓生」であり「円生」ではない。” 高田先生、同感です。
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待ちこがれた『落語ファン倶楽部』のVOL.7は、
なんと「柏木の師匠」こと六代目三遊亭圓生特集。やったね!
六代目圓生といえば、圓生百席、御前落語、芝居や映画へ多数出演、
協会脱退騒動、パンダのカンカンと共に逝去・・・
というのは、ちょいと年季の入った落語ファンならみな知ってる。
珍しい噺を・・或いは大ネタを・・と逡巡する落語家さんは、
必ず1度は圓生師匠の音源やテキストにお世話になるらしい。
圓楽、鳳楽、圓丈、白鳥、川柳川柳など直系の三遊亭一門の芸談のみならず、
志の輔、談春、市馬、志らく、三三、菊之丞、鯉昇等
当代の売れっ子たちが寄せる圓生への思いが、たまりません。
私が好きなのは、先年『大晦日版・文七元結』を演じた圓丈の語る師直伝の稽古。
“芸は砂の山”この言葉に名人の凄みと、戦慄を覚えます。
ああ『火事息子』を映像で観たい!