自治体職員必読の政策法務入門(環境課編),
★★★★☆
シリーズ完結編。
環境は、市民に身近な関心事項であるばかりか、分権前においても、東京都の独自条例による法令への上乗せが実施されてきたように、政策法務との親和性が高い。
これは、地域における独自性と、失われたら再現が困難な環境資源の特性によるものと考えられます。北村喜宣教授(上智大学)による、環境を題材とした政策法務に関するいくつものの著作はその証左でしょう。その意味では、最終巻で、ある意味での原点回帰と言えるかもしれません。
内容も、総合計画と個別計画の運用の課題や、組織を横断する施策の運用、法定外目的税、行政代執行など、環境問題を題材としながらも普遍的な課題が取り上げられます。
もちろん、注目を浴びる分野ですから、「ポイ捨て条例」「古紙持ち去り禁止条例」「硫酸ピッチ対策」など近頃話題の事例に事欠きません。
「待ったなしの環境問題に『政策法務』がよく効きます」
というオビの文句に肯かされるところです。