ワンランク上のプレゼン術を学ぶ
★★★★★
読んだ後に後悔(?)するようなスキルが網羅されている、
もう後戻りはできません。
邦書前著にあたる「パワー・プレゼンテーション」を読み、
聞き手の関心に訴えるプレゼンに共感しておりました。
同じ著者とは知らずに書評サイトで紹介されていたので購入。
第11章から目を通せば、
この著作が「ワンランク上のプレゼン術を身につけたい」と
日々躍起しているビジネスパーソンがほくそ笑むようなテクニックが
満載である事に気付くでしょう。
「スライドに箇条書きにされているトピックを読み飛ばしてはいけない。
聞き手は(何かあるな)と感じてしまう。
では時間が限られている場合どうすればよいか・・」
ぜひ一度目を通してください。
ただし、プレゼンに慣れていない方々には、
前半は配慮されたトピックであるものの、
少し難易度が高いです。
いただけないのはカバーデザイン。
黄色にこのタイトルフォントは非常に安っぽい、
「アメリカノ企業家が」の件もいらないでしょう。
誠にもったいない・・。
ぜひ読んでください。
邦書では類書が少なく、日本人が苦手と言われる「テクニック」を学べます
★★★★☆
著者は2004年に邦訳本が出版された「パワー・プレゼンテーション」の著者です。
本書の位置づけを、著者は下記のように述べています。
・過去20年以上にわたり、500以上の企業のエグゼクティブに伝授したテクニックとスタイル、
戦略を公開している
・エグゼクティブたちが何千ドルも払った、プライベート・コーチングの内容の詳細が載っている
著者は、それだけの実績と自信を持っている方です。
邦書では少ないプレゼンテーションの「テクニック」について、具体的に言及している点が、
本書の特徴です。著者は、「聴衆の前に立った時、自然で自信のある「態度」を保つにはどうするべきか」
に関するテクニックを紹介していていると述べています。この「態度」を学べる点が本書のポイントです。
特に、第7章の「ボディランゲージの活用法」と第8章の「話のリズムをコントロールする」には、
具体的なテクニックが書かれており、参考になります。
アイコネクト(本書ではアイコタクトと同義で使用)の効果的な使い方と腕や手の動かし方の
説明は特に参考になります。
第7章には、次のような印象的な文章があります。
・あなたが不安に感じると、聴衆にはあなたが安心しているように見える
・あなたが安心していると、聴衆にはあなたが不安を感じているように見える
上記のようにならないためにも、テクニックを学ぶ必要があります。
本書では、プレゼンテーションを心理的にコントロールする方法として、聴衆一人ひとりを
個人として捉えることが重要であると主張しています。そのためには、聴衆に問いかける際には
「あなた」や「皆さん」という言葉が重要であると主張しています。
そして、ただ問いかけるだけではなく、状況に応じてどのようなアイコネクトやしぐさを
活用すべきかについて解説しています。
本書では、第10章までで、上述したような「話を伝える技術」を学びます。
そして、第11章以降では、パワーポイントを活用した「スライドの技術」を学ぶことができます。
もちろん、スライドそのものではなく、スライドを活用したプレゼンテーションの技術です。
特に第11章の「視覚のシンクロ効果」と第12章の「スライドを言葉でナビゲーションする」が良いです。
ここでは、スライドと身振りをどのように組み合わせるかを学べます。
どのタイミングで何を話し、どのように振舞うべきかということを解説しています。
本書の特徴として、歴代の米国大統領のスピーチを題材に良いプレゼンと悪いプレゼンを
学ぶことができる点もポイントです。
無料で登録が可能なWEBサイトの案内もあり、映像を見ることができます。
※登録方法も解説があります。文中には該当するスピーチの映像がどれかも書いてあります。
歴代大統領のスピーチの興味深い点は、スピーチの前後で支持率が変化することです。
そのため、特に悪いスピーチのどこが、なぜ悪かったのかという点が参考になります。
本書では、模範的なスピーカーはロナルド・レーガン氏であると述べています。
クリントン氏やオバマ氏も優れたスピーカーであると述べられており、解説が参考になります。
本書でも解説がありますが、「間の取り方」が特に参考になります。
「個との対話」としてのプレゼンテーション
★★★★★
米国の歴代大統領の演説等,
具体例の分析がとくに参考になります。
また,しばしば「パブリックスピーチは対話のように
やればよい」と言われますが,その具体的方法が
分かり易く説明されています。