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Living in the End Times

価格: ¥2,485
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: Verso Books
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もはや時評どころではない、か? ★★★★☆
In Defense of Lost Causesぐらいから、ほぼ毎年1,2冊のペースで政治時評的な本を出し続けているジジェクの、2010年現在で最新のものです。最近の講演によれば、ここまで時評をずっと書いてきたが、今はThe Sublime Object of Ideologyや、The Ticklish Subjectのようなもっと理論的な、ヘーゲルを主題としたものを書いていて、すでに700ページを越えていてまだ終わっていない、ということです。本書もすでに400ページあって、時評だけでなく、とくにBargaining(取引)と題された章では、私のような素人では読むのが大変なマルクス論が展開されていて、このあたりが次の本への序章なのかな、と想像しています。全体はキューブラー・ロスの、人はどう死を迎えるか、という理論の、否認―怒り―取引―抑うつ―受容、の5段階が章のタイトルになっていて、各章の間に、もう少し軽い、映画や建築(横浜の大桟橋についてもちょっと触れています)などについての文章が「間奏」として挿んであります。キリスト教に関する記述が多いこともこの本の特徴なのかもしれません。終章はカフカの『歌姫ヨゼフィーネ、あるいは二十日鼠族』、サティの家具の音楽などに触れながら、このあたりの芸術が好きな人には楽しい読み物になっています。