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独り群せず (文春文庫)

価格: ¥700
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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幕末の大坂 ★★★☆☆
★三分の一読み進んで「剣客商売」を思い出していた。
★時代背景や物語の場所等は異なるが、人物の設定や構図が非常に似ている。
★池波正太郎の「剣客商売」は、複数の物語が展開し、ひとつひとつが収束して大きなドラマとして複合的に進行していく。一方、北方謙三の「独り群せず」は、料理人と大坂西町奉行所筆頭与力の幕末の大坂の街と物流への複眼的な視点から進行する。
★妻を無くした剣客秋山小兵衛と同じ境遇の元武士の料理人光武利之。どちらも剣の達人。息子夫婦に尊敬され、孫にも恵まれる。そんな歳だが、日々近くにいる孫のような娘と自然の流れの中で連れ添うことになる。
★大きくないが瀟洒な住まい。どちらも川の縁にあり、舟を巧に操り物語にもその場面が登場する。
★田沼意次、外国奉行をそれぞれ縁者に持ち、威光を借りる訳ではないが、要所では関わりあいを持つ。
★食へのこだわりは、かたや料理人なので当然であるが、食材も選び抜く。「剣客商売」で池波正太郎は江戸の普通の食材を使い旨さを引き出す。ここは、対照的だ。
★暮らしへのかかわりも異なる。江戸中期の江戸と幕末の大坂。「剣客商売」は剣客同士の決闘や仇討ち、盗賊との闘いがテーマだが、市井の人々の暮らしや交流、思い入れはそれ以上に描かれる。「独り群せず」には、幕末の動乱期、したたかな大坂商人と、庶民の暮らしを買い占め・投機から守ろうとする与力内山彦次郎の姿が描かれる。不当利得の上前をはねて資金源とする新撰組との争いもあり内山彦次郎の使命感、執着、誇り、意地のようだ。「俺は、米や油や味噌などの値の方が、」外国との戦争より「気になる」 。
★「鷙は群れず」という諺があったが、これもよく似ている。男と女、気の合う飲み友達、市井の人々、武士を捨て料理人となった光武利之もいつかお藤と寄り添うことになる。
★堂島あたりを散策すると、廻船問屋を見回る内山彦次郎や、釣りに行く利之とお藤に出会うかもしれない。
★円山応挙のカバーは、渋く落ち着いた風合いでよかった。
「杖下に死す」の続篇! ★★★★★
「杖下に死す」で記された大塩平八郎の乱から20数年後のお話。
「杖下に死す」を読まれた方は絶対読んだほうがいいと思います。利之の生き様に心が打たれます。
料理に関する内容も濃いです。
「杖下に死す」を読まれてない方は、「杖下に死す」を読んでから出ないとよく理解できないと思いますので、先に読んでおく事をお勧めいたします。
人生を引退したはずの男が、熱く蘇る物語 ★★★★★
幕末の大阪。料理人として成功した、幕府重鎮の兄であり、剣豪の主人公。
料理店を息子に任せ、自分は独りで店をはじめ、孫を教育する日々。

しかし、急変する時代は、そんな日に安住することを許さなかった。
友人のため、過去の想いのため、男は立ち上がる。

筆者の「人生を降りた男の熱い物語」を久々、、という感じで夢中になって読みました。

激しい時代の変化、その中での大阪の様子、主人公や仲間の運命、次々登場する幕末の有名人、主人公の神業的な剣の技術、新撰組などとの戦い、など読み応え満点です。

途中で、読むのをやめられなくなる本でした。
杖下に死すから、二十数年後の物語 ★★★★★
幕府お庭番の家系に連なる剣豪・光武利之の晩年の戦いを描いた、杖下に死すから、二十数年後の物語
すでに第一線から退いていた光武利之は、再び時代の潮流の中へと引き込まれて行く
時の時代が彼を必要とした
そして男は、友のため、世のため、人のため、そして己ために再び立ち上がる
ご存知、北方時代小説の傑作です