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京都花街の経営学

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東洋経済新報社
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持続可能な経営を花街に学ぼう ★★★★★

京都花街が、350年もの間続いているのはなぜ?
本書は、この疑問に答えるための調査をまとめたものです。
「一見さんお断り」等の伝統がとても分かりやすく述べられている。
用語集も嬉しい。
いまこそ、規模拡大を目指さずに持続可能な経営をする花街に学ぼう。

(戦略)
・「超長期競争優位性」
 規模拡大を目指さずに、価格競争を避ける。

(顧客・商品)
・きちんとしたものを提供し、顧客は適切な価格で購入する。
・常に顧客の満足度に気を配り、次のサービス提供に生かす。

(店舗)
・「一見さんお断り」
 長期掛け払いで運営しており、デフォルトを防止するため。
 顧客へのもてなし(コーディネート)をするため。
 職住一体の女所帯であり、安全性の配慮をするため。
・職住一体の女所帯で、人間関係になじむことの大切さを教える。
 次に、「芸の道には一人前という言葉はない」と体で覚えさせる。
はんなりと読んだ ★★★★★
普段接することのない、伝統的な京都の花街の仕組みを、経営学と言う近代の学問に重ねて筆者が見た内容は大変興味深かった。
近代日本の産業構造がモノづくり中心に形成されて来たという通説の前提に立ちながら
読んでみると、長い歴史の中で合理的にサービス産業として生き残ってきた
花街の取引の互恵性やら、顧客意識など本質的なものへの洞察が喚起された。
引用されている京言葉が、正面切った経営書でもなく、かと言って花街入門書でもない
本書のかもし出す「はんなり」とした雰囲気をかもし出し、気持ちよく読むことができた。
参考文献を読んでまとめた様な「卒論」的すぎ。 ★☆☆☆☆
学者さんの本はやっぱり・・・。
安く買って一応読んだものの、「卒論」的。
本のP247参考文献の一覧をみれば、なるほどネ。
祇園お茶屋の女将が書いた「・・・を知っといやすか」
は手元に残すけど、この本は売ろう。
花街をケーススタディした経営論の視点がおもしろい ★★★★☆
京都の花街を経営組織・教育システムの視点から構造分析し、他地域の同業界との対比分析を交えながら、経営事業体としての持続性と変化対応のノウハウを論述している。
非合理に見える伝統的なしくみ・制度−住み込みと仕込みさん、年季、置屋とお茶屋、女紅場、一見さんお断り−が、実は変化対応への柔軟性としたたかな知恵を内包する合理的な統合システムとして機能し、合理性を持つていると著者は分析する。
舞妓さん・芸妓さんを高度技能専門職ととらえ、そのキャリア形成と能力評価の仕組みを明解に分析し、舞妓さんのキャリア・パスを詳述してくれている。お茶屋はお座敷をコーディネートし、「おもてなし」のサービスを商品にするプロデューサー。価格競争に堕せず、質の競争に腕をふるい情報ネットを駆使する。「一見さんお断り」は350年続く会員制ビジネスであり、与信管理の有効な仕組みである一方、女所帯の花街におけるセキュリティの知恵でもあるという。わかりやすくて、実におもしろい。
おかたい経営組織論・教育論をまず読むより、この花街という業界のケーススタディを読む方が経営組織論や能力評価論への親しみができ、理論への架橋になると思う。
一方で、京都祇園を一歩踏み込んで理解できる文化風俗案内書となっていて、楽しめる本だった。
なかなか為になる本でした。 ★★★★★
 会社の経営職会議に招かれた講師が推薦していた本だったので購入しました。現代の若者達を(いつの世でも悩みの種ですが)如何にして育成していくかという課題に対してのヒントがあるような気がして読んで良かったなと思いました。人材育成で壁にぶち当たっている人事系の方々には明かりが見えるような本でしょうね。ちょっと昔の下町じゃ当たり前にやられていたことだったのでしょうけれど。

 前半は花街の歴史や組織の説明が多くて、全く縁の無い私にとっては単なる読み物でしたが、第6章あたりから生き残りをかけて取り組んでいる人材育成システムの構築を解説していく段になってくると、非常に納得の行く内容で感心しました。携帯でしかコミュニケートできない現代の若者との共存と言えば大げさですが、我々親爺経営職に「忘れられていた」のか「斬新で目から鱗の」教育手法なのかは人様々でしょううが、とても為になる本でした。女性らしい優しい平易な文章も疲れなくて好感が持てますね。これが博士論文とは思えないほどの判りやすい文章です。