本書は著者が20年に及ぶオウム信者の脱会カウンセリングを通して、その体験から記された実践事例である。オウムの教義的行法的問題を指摘し、信者たちの声を聴き、社会復帰の助言を行っている。また未だ教団に残る現役信者の親や家族の相談を受け、その対応を重ねている。オウム事件は日本シャンバラ化計画の元に行われた国家転覆テロであった。オウム信者たちはイニシエーションと偽りＬＳＤや覚せい剤の薬物によってマインドコントロールされ、麻原教祖のクローンと化しテロ計画の戦士として改造される恐るべき計画であった。事件から二〇年経った今もまだ、問われている。

オウム信者脱会カウンセリング ー虚妄の霊を暴く仏教心理学の実践事例−
目次
出版に寄せて　オウム真理教家族の会 会長　永岡弘行
第一章　虚妄の霊
第二章　オウム信者脱会カウンセリング活動
第三章　オウム教義を論駁する　カルト教義から正法へ
第四章　脱会カウンセリングのプロセス　真実の親の愛
第五章　虚妄の霊を生んだ闇の構造
第六章　虚妄の霊を超える
著者／林久義 1959年、岐阜市生まれ。法政大学社会学部卒。教員を経て、渡米。 米国カリフォルニアのオディヤン寺院にて、タルタン・トゥルクからチベット仏教ニンマ派に伝わるゾクチェン瞑想、開かれたビジョン「時間、空間、知識(TSK)」を学ぶ。 仏教心理学の理論と実践、瞑想ヨーガクムニェなど、各地でセミナーを行っている。９５年のオウム事件以後、オウム信者の脱会カウンセリングを行っている。