本居宣長メイン
★★★★☆
武家政権である江戸幕府なのだが、米将軍・吉宗の代にもなると、武士=武道の人というよりも、お役人という存在になる。これは完全なお役人といっても過言ではないであろう。
そんな中で武士は成長の歩みを止めるが、江戸における町人は違った。いわゆる士農工商の身分制度で一番下位におかれているからこそ、自分たちの生業に自身が持ちたかったのであろうか、文化的な活動を盛んに行うようになる。
また、三重の医師だった本居乗りながらも医務の傍ら国学に没頭し、いわゆる「日本らしさ」というものを探求した初期の人かもしれない。またこの人によって源氏物語などを「もののあはれ」の文学として位置づけたことも大きな文化的意義を持つのだろう。
どうも分化史が苦手な私だが、石ノ森氏はその私にも優しく物語を見せてくれている。