カートが一人旅立ってしまってから１６年も経つというのが信じられない位、彼らの音楽は未だ色あせない新鮮さと勢いが感じられる。さまざまな憶測や誤解をこの本を読んで解けた気がする。不器用ながらも好きな音楽に真面目に向き合う青年達の姿を見た気がする。

ニルヴァーナの成立から崩壊までが本人達のインタビューを織り交ぜながら丁寧に書かれている。


カートの幼少期からコートーニーとの出会い、イン・ユーテロへの思い。読みごたえ満載の作品。

唯一の公式本であるから、書かれている内容も真実であろう。と思い、手に取ったのは、この本が出たばかりのこと。かなりの量があるのだが、読みきった覚えがある。そもそも、当人達の生い立ちから、バンドの終わりまでを、満遍なく追える。一方で、本人達のインタビューにより、「本人達の思い」がわかる。初期の恵まれない時代が全てとの気もする。成功後に破綻し、自滅してしまう。客観的に観ると思い内容。ただ、アルバムで聴ける曲の内容について、その背景を深く知ることができる。このバンドが好きな人向け。

グランジといえばニルヴァーナ、といわれるくらい代名詞的な存在であるこのバンドの、成り立ちと推移を細かく紹介している名著。人物の描写も鋭く、生き生きと、そして切なく画かれている。随所に表れるそれぞれの人物のセリフがリアルで、読み手の心に突き刺さる。死して今なおファンを増やし続けるカート・コバーンの、魂の叫びがここにある。