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Everyman

価格: ¥1,052
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Vintage
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It was time to worry about oblivion.It was the remote future. ★★★★☆
荒廃したユダヤ人墓地での参列者もまばらな<彼>の葬儀から始まり、<彼>の全人生の断片(病と晩年と3度の結婚・離婚と家族)が語られていく。葬儀では娘によって彼の処世訓が披露されるのだが。それに相応しい<彼>の厳かな晩年が描かれるのか・・・・・ん、何か違うぞ。失敗した3度の結婚に対する無責任な弁明と、幼い頃より敬愛してた健康な兄に対する理不尽な嫉妬、その他あらゆる『負の感情』が軽快なリズムで縦横無尽に綴られる。

<彼>は広告会社でcreative directorとして成功し晩年は海辺のretirement villageに転居。念願だった絵を心行くまま描きながら時に住民のために絵画教室を開きながら一人で悠々自適に暮らしてるはずなのだが。最終的にはという境地に至ってしまう。どうして?
幼い頃の<彼>は父の貴金属店<通称Everyman's Jewelry Store>でせっせとお手伝いをし店員さんや家族の誰からも愛される。壊れた時計をガチャゴチャいじってる可愛い少年の姿が目に浮かぶ。そんな少年が<彼>になるなんて!

50歳の時に思いっきり「はまった」デンマーク人モデルの<little hole>と引き換えに別れたのが正に良妻賢母の2番目の妻と、彼女との子供である心優しい最愛の娘。
悲しすぎると愚かすぎると可笑しくなるし泣きたくもなる、そんな「おとぼけ」の効いた重い想いの染み渡る粋な小品。