インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

Jihad: The Rise of Militant Islam in Central Asia

価格: ¥1,328
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Penguin (Non-Classics)
Amazon.co.jpで確認
 「9.11同時多発テロ事件」でクローズアップされた「イスラム原理主義」は、もっぱらウサマ・ビンラディンとタリバン最高指導者、ムラー・オマルの名前で語られている。しかし、米軍がアフガニスタンのタリバン軍拠点とアルカイダ訓練キャンプを爆撃し始めたとき、アフガニスタン北部、タロカンのタリバン軍を指揮していていたのは「IMU(ウズベキスタン・イスラム運動)の軍事指導者、ジュマ・ナマンガニであることを伝えた報道はほとんどなかった」。IMUとはいったい何物か? 「イスラム原理主義」と「ジハード(聖戦)」は、中央アジアを知らずして語れないことを、痛切に思い知らされる本である。

   著者は米CNNと英BBCのレギュラー解説者として活躍するパキスタン人ジャーナリスト。ソ連邦解体からここまでの10年間、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの中央アジア5か国をくまなく取材して歩いた。そこで収集した第一級の情報をもとに、ボルシェビキの圧政から解放されたはずの中央アジアの諸民族が、新しい腐敗政権のもとで再び弾圧され、イスラム過激主義に走る姿を詳述しているのだが、著者が直接見聞した事実の前には、イスラム過激派の行動を安易に擁護するアカデミズムは顔色を失うに違いない。

   著者は「タリバン、アルカイダ、IMUに共通する旗印は、すべての歴史的経験、科学的実験、ムスリムが過去1400年にわたって発展させてきた、あらゆる形の知識を拒否すること」であり、タリバンの女性・少数民族抑圧、仏像破壊を「歴史の書き換え」と断じている。そして、彼らを「イスラムからその価値、ヒューマニズム、精神性を剥奪する新ジハード・グループ」と位置づけるのである。

   しかし、2001年8月、キルギスで日本人鉱山技師らを誘拐したIMUも含め、過激なイスラム運動を台頭させたのは、中央アジアの非民主的腐敗政権であることを見落としてはならない。中央アジアこそ「新たなグローバルな戦場になろうとしている」と、著者は警告するのである。(伊藤延司)

独裁体制下でテロリズムへの共感が生まれる構図を読み取る上で貴重な一冊 ★★★★★
イスラムやテロリズムに関しては、既に夥しい数の書籍が記されましたが、それらには、テロリズム、イスラム教、各国の政治・経済事情を別々に捉えた物が多い。その点ラシッド氏の書籍は、上記の全ての分野を総括的に捉えており、9.11から5年経過した今でも読み応え大です。著者は中央アジア諸国を自分の足で30年以上取材した唯一とも言えるジャーナリストであり、前著「タリバン」同様、テロリズムや独裁に絶えず厳しい視点を向ける姿勢が、本書をベストセラーにしている所以だと言えます。
中央アジアのテロリズムの実態には未知の部分が多いですが、タジキスタンの内戦や、タリバンとIMUの結び付きだけを見ても、中央アジアのテロリズムが極めて過激であることが分かります。実際IMUの思想は、デオバンドとワッハーブの融合に等しいですが、こうした過激思想はかつて中央アジアで栄えたイスラム文明とはおよそ相容れないものです。中央アジアで過激思想が普及した直接の要因はアフガン内戦ですが、ソ連体制下の矛盾が、現在の擬似ソ連型独裁体制下にある中央アジア諸国の矛盾と結び付いた結果、過激主義が栄えてしまう構図が、本書から嫌と言うほど読み取れます。
基本的に国家は国民の信頼により成立しますが、中央アジア諸国では国民からの信頼が基本的に欠如しています。弾圧、腐敗、飢餓が蔓延する中、資金力と体制への攻撃力を兼ね備えたテロ組織に、多くの人の共感を呼ぶのは無理もありません。内戦が終結し、民主的な選挙が実現したタジキスタンを除き、中央アジア諸国は末期症状的色彩を帯びており、現在でも本書出版時と少しも変わりません。こうした国々の国内的な悲劇は、国際的な悲劇に安易に結び付くので、中央アジアの非人間的な体質を改善し、テロリズムへの国民の支持を断つ上で、本書は極めて重要な一冊だと言えます。
グレートゲームの舞台 ★★★★☆
å½"地の状況に精通ã-たãƒ'キスタン人ジャーナリストによる中央アジア現代æƒ...勢にかã‚"する書である。
è'-è€...は「タリバン」に続いてイスラム原理主義(ã"のå'¼ç§°ã‚‚胡散臭いものだが、便宜的にç"¨ã„る)の沸騰する中央アジア諸国ã‚'対象とã-ている。

地理的にè¿'接するアフガニスタンと中央アジアはもちろã‚"、密接にé-¢ä¿‚ã-ている。さらにロシア・イラン・中国の裏庭でもある中央アジア。
原理主義はサウジアラãƒ"ア・ãƒ'キスタンã‚'発ã-、アフガニスタンã‚'経ç"±ã-て中央アジアに流å...¥ã-、またå¤-部へと流出する。

ソ連å'©å£Šå¾Œã®æ-§å...±ç"£å...šã‚¨ãƒªãƒ¼ãƒˆãŸã¡ã«ã‚ˆã‚‹å¼·æ¨©æ"¿æ²»ã«ã‚ˆã‚‹ç¤¾ä¼šä¸å®‰ã‚„不満の鬱積、ソ連成立にたいする現地イスラム勢力の反発などが原理主義需要のå-ã'皿であろうか。æ"¿æ²»ãƒ»çµŒæ¸ˆã®è'廃は原理主義の最高の栄é¤!Šã¨ãªã‚‹ã€‚

中央アジアにç"£ã™ã‚‹çŸ³æ²¹ã¯ãã®ç"£å‡ºé‡ã§ã¯ãªãã€éžä¸­æ±ãƒ»éžãƒ­ã‚·ã‚¢ã¨ã„う条件からä¸-界石油戦略へと組み込まれてゆく。そã-てãƒ'イãƒ-ライン構想はまたあらたなç'›äº‰ã®ç«ç¨®ã¨ãªã‚‹ã€‚

結局、中央アジアとはそれ自身によって自立的に存立する地域でなく、今もæ˜"もå¤-部勢力による「グレートゲーム」の舞台にすぎないのか。

中央アジアの現状がよく分かる一冊 ★★★★☆
中央アジアでイスラム過激派が急成長している理由は、イスラム原理主義への共鳴ではなく、中央アジア各国の独裁政治と貧困にある-「タリバン」の筆者が、アフガンから中央アジア全体へとイスラム原理主義の取材範囲を広げ書いたのがこの本である。

筆者はウズベク、キルギス、タジク、トルクメン等中央アジア各国の国内事情とイスラム反政府運動を詳述している。各国の腐敗政権によってもたらされた政情不安と経済停滞、さらには中央アジア取り巻く各国の思惑が複雑に交差してこの地域を不安定化させる過程を、筆者は見事に描いている。

イスラム原理主義の現状を知りたい人にとって、必読書である。