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Descent into Chaos: The U.S. and the Disaster in Pakistan, Afghanistan, and Central Asia

価格: ¥1,533
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Penguin (Non-Classics)
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オバマ大統領がアフガニスタンにこだわる理由がわかる本 ★★★★☆
著者の前著「Taliban」(9/11前まで)と本書(9/11以降)の2冊で、アフガニスタン問題に関する一通りの知識が得られます。カルザイ大統領に対する批判は独断的でちょっと鼻につきますが、アメリカ、EU(NATO)、国連や近隣諸国(特にパキスタン)との関係が歴史的背景を含めて幅広くカバーされており、大変わかりやすい本だと思います。オバマ大統領がアフガニスタンにこだわる理由が良くわかります。
何故パキスタンとアフガニスタンがテロの温床になったかを知ることができる。 ★★★★★
 この本は、アメリカが南アジアや中央アジアの安定を無視してイラクに兵を進めたことによって引き起こした、この地域の政治的な混沌さをパキスタンとアフガニスタンを中心として書いたものである。著者はパキスタン人である。
 私はパキスタンの首都・イスラマバードに1993年から2000年まで在住していたことがあり(パキスタンの平和な時期と言われている)、現在は今年(2009年)の1月からイスラマバードに居り、これから数年間はここに在住することになると思う。そういう視点から見ると、この本の価値は大変に高い。確実に言えることは、これを読むことによって幅広くパキスタンを見ることができる、ということである。
 更に、アフガニスタンの平和構築に興味がある人にとっては、2001年9月11日以前からのアフガニスタンの政治や社会の動向、さらに9月11日以降のアメリカが主導権を持って進めてきたアフガニスタンの復興作業がどうしてうまくいかなかったのかを知ることができる。興味深い記述としては、カルザイ現大統領が反タリバンの族長としてアメリカに信頼されるようになったいきさつや、殺害された父親の葬儀を一族の長として粛々と進める状況が描かれており、まるで映画を見ているような情景であった。
 この本の前半は1990年から1999年に掛けての、特に当時のナワズ・シャリフ首相がムシャラフ氏(後の大統領)を参謀総長にしたいきさつや、ナワズ・シャリフ首相がそのムシャラフ参謀総長を失脚させるに至る過程などが述べられている。当時の私は漠然とその状況を新聞記事などから知ることはできたが、著者の裏の事情とも言える記述によって尚その理解を深めることができた。
 読み進むに連れて現在のパキスタンの状況(2008年中頃まで)の説明になってくるのであるが、しばらくパキスタンを離れていた私にとってはもう一つ今の政治状況が理解できなかったので、この本は格好の教科書となってくれた。おかげで新聞を読むのが毎日楽しみである。
アフガン・パキスタンのテロ問題に興味がある人にはお勧め ★★★★☆
著者は『タリバン』、『聖戦』等日本語に翻訳された著書もあるパキスタン出身の気鋭のジャーナリスト。本書では2001年〜2008年初期を対象に、アフガニスタン及びパキスタンにおける「テロとの戦い」の経過を描く。通読すると、テロとの戦いにおいてはアフガンとパキスタンを一体的に捉える必要があることがよく理解できる。
パート1は9.11からアフガン侵攻までである。カルザイがパキスタンからバイクでアフガニスタンに戻るところなど、読み応えのある描写にひきつけられる。
パート2とパート3が本書の主眼であり、タリバン放逐後のアフガンにおける国づくりの失敗と、パキスタンがタリバン及びイスラム過激派の安全地帯となり、混迷を深めていく様子を描いている。著者の主張はそれほど新しいものではなく、1.米国がアフガン侵攻が早期に終了した後重点を早期にイラクに移し、国づくりへの努力を怠った、2.アフガン内の兵員の数も縮減された、3.軍閥の取り締まりが遅れ、また大統領に任命されたカルザイも軍閥の力を削ぐことができなかった、4.パキスタンではムシャラフ大統領がタリバン及びイスラム過激派の取締りを十分に行わなかったというもの。1.と2.は他の書に譲ると思われるが、3.と4.については詳細な記述があり読む価値が高い。ただ、固有名詞などが多く出てくるので、多少の予備知識があったほうがよいだろう。
パート4は一章ごとに異なるテーマを扱っている。13章のパキスタンの部族地域の話では、部族地域の旧態依然たる統治方法を刷新しなかったパキスタン政府に批判が向けられているのが面白い。14章はグアンタナモなどの話で若干浮いている。飛ばしてもよいだろう。15章はアフガニスタンにおける麻薬の話で、これも興味がなければ飛ばしてもよい。16章はウズベキスタンの話だが、これも唐突で蛇足気味。17章と18章はアフガン及びパキスタンの最新の動向。17章はタリバンの復活について、18章はConclusionとあるが本全体の結論ではなく、ブット暗殺から議会選までのパキスタン国内の動向である。なお、タイトルでは中央アジアも扱っているかのようだが、実際には全18章中1章(第16章)しか扱っていないので、若干大風呂敷気味ではある。

上記のようにアフガン、パキスタンにおけるイスラム過激派の動向については詳細な記述がなされ、これらに興味を持つ方にはお勧めの書だが、英語で400ページとかなり長いので、軽い気持ちで手に取ると途中で挫折しかねない。本の趣旨からすると邪道だが、アフガンの章あるいはパキスタンの章だけ飛ばし読みするというのもよいかもしれない。また、英文は平易なので、日本語訳がもし出るならばそれを待つというのも手だろう。