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Ghost Wars: The Secret History of the CIA, Afghanistan, and bin Laden, from the Soviet Invasion to September 10, 2001

価格: ¥1,438
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Penguin (Non-Classics)
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   スティーブ・コール著、『Ghost Wars: The Secret History of the CIA, Afghanistan, and Bin Laden, from the Soviet Invasion to September 10, 2001』は、9.11の何年も前に、タリバンとアルカイダが進化を遂げる過程で、CIAがどのようにかかわってきたのかを詳述する。コールは冒頭から、ソ連の戦争介入以後、CIAがアフガニスタンへの不定期的な関与を繰り返した結果、本部職員がタリバン台頭に対応できる十分なリソースや情報が得られなかったことを挙げる。さらに、ソ連、パキスタン、アメリカの情報部員が、敵対勢力に武器を与え、軍事訓練を施すことによって、アフガニスタンが死を伴う国際政治の駆け引きの舞台と化した様子も説明している。一方で、本書は独断的ではあるものの、CIAの批判一辺倒というわけではない。コールは、CIAの失敗と同時に、ミア・アマル・カシの拘束といった成功例を、バランスをとるようにして記述している。

   ワシントン・ポスト紙の編集局長であるコールは、1989年から92年までアフガニスタンを取材した。ホワイトハウスでの会議の記録や、以前は機密扱いだった資料など、これまでに例がないほど詳細な情報を入手しており、特にサウジアラビア、パキスタン、アフガニスタンに関する知識は印象的である。彼はまた、ジョージ・テネット、ウィリアム・ケーシー、そして「反テロリズムの皇帝」リチャード・クラークといった人々を、内部の人間の視点で描いている。コールは、調査結果を物語のように描いており、読者はまるでトム・クランシーの小説を読んでいるかのような錯覚を覚えるだろう。

   本書は包括的ではあるが、9.11につながる出来事の説明を求める読者には物足りないだろう。1998年当時、CIAはビンラディンを拘束すべきターゲットとみなしていたが、このくだりは、本書が3分の2を過ぎて、カーター、レーガン、初期のクリントン政権のあとでようやく登場する。しかし、これはコールの努力を批判しようというものではない。体力がないと本書を読み進めていくのは楽ではないと警告しているだけだ。『Ghost Wars』は、情報作戦の複雑な研究と、ごく少人数の過激派に、いかにしてアメリカの国土に甚大な損害を与えることが可能だったのかという点について理解を求める人にとって貴重な資料となるだろう。(Patrick O'Kelley, Amazon.com)

終わりなき混沌。 ★★★★★
三部構成の大著です。第一部がアフガン戦争とソ連軍撤退まで。第二部がソ連軍撤退後のアフガン内戦、タリバンの誕生と拡大、第三部がCIAと国務省とホワイトハウスの認識の齟齬と足並みの乱れ、諜報戦の失敗というより官僚制度の陥穽と政治的失策の結果としてカタストロフェに向かうアメリカの姿が描かれます。
「タリバンって要はパキスタン軍部の別働隊か」と目から鱗が落ちて、ソ連軍撤退後のアフガン内戦の意味が見えたような気がしました。あれはアフガニスタンを傀儡国家に仕立てようというパキスタン軍部の策動だったのかと。つまり「アフガン人によるアフガニスタン」を目指したアフマド・シャー・マスードの真の敵はタリバンというよりパキスタンの国家的野望だったのかと。後半、政界引退後にパキスタン政府のロビイストとして雇われているチャーリー・ウィルソンがチラリと登場するのですが、なんたる皮肉。さらなる皮肉は、自軍撤退後のアフガニスタン情勢をアメリカよりも正しく読み憂慮していたのがソ連の方だったということなのですが。
本書をそのまま読むと、サウジ情報部やISI(パキスタン統合情報局)との連携を最後まで捨て切れなかったアメリカは自分の首を絞める縄を二十年かけてシコシコと編んでいったということになります。そういえば、私は以前フランス人学者が「英語話者同士であるが故にアメリカはパキスタンの反北部同盟プロパガンダや偽情報を鵜呑みにしたのだ」とフランス人らしく指摘するエッセイを読んだ記憶があります。さて、果たして真実アメリカが油断不覚悟以外は責めと負わないイノセントな存在だったのか…。
ともあれ、かなりの大著ですが、文章は読み易く、各人物像も生き生きとしており、多端な事象をよく整理して解説していると思います。読後には叙事詩的気分が残ります。オサマ・ビン・ラディン一人に執拗に拘り続けるアメリカの近視眼ぶりを批判し続けたマスードと共に幕を開け、彼の死でもって終わる、地政学の宿命と個人の運と組織的闘争の叙事詩というか。いまだエンドゲームの見えない叙事詩ですが。
アフガニスタンのCIAの戦い ★★★★★
ソ連に対抗するためイスラム系の軍閥にCIAが様々な援助をする。タリバーンに肩入れし、マスードなどにはさほど援助せず、タリバーンの勢力を拡大させてしまう。一部のタリバーンの協力を得て、ビン・ラディンの殺害を企てるが失敗する。財力があるビン・ラディンがタリバーンを徐々に支配するようになる。アフガニスタンを支配し、かつカシミール紛争をイスラム勢力の武力を使って有利に展開しようとするパキスタン軍部の意図もあり、アフガニスタンの各民族の争いが激しくなる。アフガニスタンは山岳地帯で、各地域が隔離されているため全部を支配するのは容易ではない。詳細な地図がいくつかあり、アフガニスタンの地形がよく分かる。このため、かつて英軍も完全支配には失敗している。ソ連、パキスタン、イラン、米国、そしてかつての英国等、これだけ多くの外国勢力が干渉し、国内の勢力もそれぞれの民族を基盤に対立している状況では国の統一が容易ではないと思った。米国のルポルタージュは皆こんなに詳しいのかと呆れる程詳細に述べている。ただし、分かりやすい地図が途中にあるので理解しやすい。また英語はわかりやすい。西アジアの状況に興味ある人には良い本だと思います。