おたくが世界をかえる。おたくあがり。『P(ペンシルプライド)』: WEBコンサルティング会社・ペンシルは、どうして23億円企業となったのか?それを読み解くキーワードは「おたく」である。その幹部会議、そのオフィス、その仕組みは、「おたく」という名の社会不適合者のためにある。これは正直者が馬鹿を見ない時代を闊歩する「おたくあがり」企業の研究本である。 ... すごい!おたくのあがり方「おたくあがり」ペンシル研究本
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株式会社ペンシルは、福岡にあるWEBコンサルティング企業である。創業して20年。グループ売上は、23億円。ネットショッピング市場の拡大とともに特筆される企業へと成長している。成功の要因は何か?どうして23億円企業となったのか?読み解くキーワードは「おたく」である。
この幹部会議の様子は、異色である。幹部のみなさんのほとんどが、きっと「おたく」であろう人材ばかりなわけである。もう少し舌鋒鋭く突っ込ませていただくと「社会不適合者」ばかりである。
会議も全然調子よくない。なんか発言もモゴモゴしている方が多い。細身のスーツなんか誰も来ていない。ヒゲがあっても、それは昨夜お風呂に入れなかったからの無精ひげである。ペンシルという会社がなかったら、いまごろきっとのガード下で野宿しているんじゃないかという人までいる。
そういう人材が大手メーカーのウエブコンサルの現場に立っているのである。『おたくあがり』である。決して派手なことは言わない。できもしない数字を掲げたりしない。できるであろう数字をコツコツとひとつずつ追求する「おたく」の「コンサルタント」である。
誰とは特定しないが広告代理店やIT代理店の方々は、おおむね「チャラい」。そして、調子がいい。ノリもいい。最初の顔合わせのときは、和気藹々である。夢もある。どれだけ儲かるのだろうとワクワクする。
しかし、その調子のいいのも最初のうちだけである。仕事が進んで、ホームページからの売上数字やコンバージョンのシビアな数字の話をする頃になると、当初の勢いはなくなる。一気に調子がわるくなる。この現象をワタシは、「ちゃらさがり」と命名したい。IT業界の彼岸には、細身のスーツを着こなした調子のいいお兄ちゃん達が死屍累々と積み重なっているのが現実である。
ホームページで「商い」をする。ダイレクトマーケティングを支えるIT業界の人材は、『おたくあがり』と「ちゃらさがり」の大きく2つに分類できる。残念ながら、結果が出せない「ちゃらさがり」は、淘汰される。「ちゃらあがり」も少数派だが、いる。しかし、「ちゃらあがり」も、結局は、『おたくあがり』な人材が必要だと気づかされて覚醒する。
この書籍は、ペンシル研究読本である。ペンシルは、なぜ右肩上がりで業績を伸ばしているのかがわかるはずである。この時代の「おたく」の「あがり方」の指南書になればと思う。
著者である有限会社ペーパーカンパニーの代表である中村修治は、福岡では知る人ぞ知る「人妻研究家」であり「おたく研究家」である。独特の執筆スタイルには、ファンも多い。その著者が、いちばん身近な立ち位置で、いちばん冷静にペンシルという企業を分析する。その筆致は、愛情深く、読んで笑い泣くこと必至である。