室生犀星はこれだけ読め!
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室生犀星について
室生犀星は、一八八九年(明治二十二年)に石川県の金沢に生まれました。北原白秋の三つ下、萩原朔太郎の一つ下の年齢です。私生児として生まれたことは、犀星の生い立ちと文学に深い影響を与えました。
一九〇二年(明治35年)に高等小学校を中退し金沢地方裁判所に給仕として就職し、そこの上司に俳句の手ほどきを受けます。
一九一三年、北原白秋に認められ、白秋主宰の詩集「朱欒(ざんぼあ)」に寄稿し、萩原朔太郎とも親交を持つようになります。一九一九年には、「幼年時代」「性に目覚める頃」の小説を発表します。
その後、詩との決別宣言をし、小説を多数書きあげますが、詩作も行っていました。
戦後も、娘朝子をモデルとした一九五八年の自叙伝的な長編「杏っ子」など、多くの小説を書きましたが、一九六二年に死去しました。
この作品集には、以下のように詩集を一つと、小説6編、随筆11編を収録しました。
○詩
抒情小曲集
○小説
性に眼覚める頃 1919
蒼白き巣窟 1920
幼年時代 1922
ゆめの話 1924
或る少女の死まで
ザボンの実る木のもとに
○随筆
日本の庭 1943
芥川の原稿 1954
懸巣
人真似鳥
螽蟖の記
交友録より
故郷を辞す
笛と太鼓
冬の庭
名園の落水
洋灯はくらいか明るいか
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食《かたゐ》となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや
(抒情小曲集より)
[#改丁]
(古典教養文庫について)
古典教養文庫は、日本のみならず広く世界の古典を、電子書籍という形で広めようと言うプロジェクトです。以下のような特長があります。
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2、読みやすいレイアウト
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