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迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: ソフトバンククリエイティブ
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複数視点の群像劇 ★★★★★
現代に現れたダンジョン攻略を生業とする人たちの生き様を書いた複数視点の群像劇
主人公真壁啓一は自分に足りないものを見つけるために命をかけて迷宮街に挑戦します
話は主に真壁の視点と真壁の書いた日記によって進み
さらに同時期に行動している別のキャラの視点でその時起こった出来事を補完するように進められていきます
迷宮街に挑戦する人たちも金のため、怪物に殺された人の復讐のため、戦う場所を求めて、親の命令など様々な理由を持っていて
直接迷宮に潜らない人も大学時代の主人公の友人、怪物の死体の買取業者、
コンビニの店員で迷宮街から居なくなる人たちを眺め続けてきた人などいろいろな人達がそれぞれの人間関係をつくり関係の数だけの物語が出来上がっています
一人一人のキャラが凄く良く出来ているので視点が切り替わるごとに新鮮な面白さがあります
そして現代人が怪物と戦うという性格上簡単に登場キャラが死にます。熟練の冒険者でも不測の事態が起れば容易に命を失ってしまうため
他の物語によくある「こいつは死なないキャラ」という所謂不敗神話的なものが存在しないので話がダンジョンに切り替わる度に気が抜けなくなります
ありきたりのライトノベルに飽きた人にはぜひ読んでもらいたい一冊です
幾つも答えのある疑問を抱ける作品 ★★★★☆
 他の方が指摘している通り、日記や多人数の視点で構成されている為、向き不向きがあります。
 が、面白い。
 大手RPGなどで、モンスターを倒すとお金と経験値が入る……当たり前の行動を現実的に捉えたらこんな作品が生まれたのでしょう。一度でもそういうことを考えたことがある方は、是非読んでみて下さい。
 また、『現実味』を必要以上に肉付けしていくことで生まれる超常には、ただただ唸るばかりです。

 個人的には2巻から出張ってくる営業マンの思考が伝わりやすいので、主人公ではなくそちらの日記形式で読みたいというわがままで星4つ付けましたが、GA文庫史に残る名作です。

 敢えて欠点としては、死に対しての耐性が付きすぎる為に、一人一人のキャラクターが自立しているのに、読み手が客観的になり過ぎて盛り上がりに欠けるところでしょうか。恋愛の要素についても少々独善的な部分が目立つように感じます。
 しかし、それを逆手に取っている節もあるので、やはり一読おすすめします。
生と死の狭間にある現実 ★★★★★
現代京都に地下迷宮が出来た話。
元は大人気のネット小説らしいですが、私は未読。にも関わらず、文句なしにおもしろかったです。ネット小説版を未読でも全く問題ないかと。

主人公である真壁の視点を基本とし、たまに他の登場人物の視点からも話描いてあります。視点の転換は結構ありますが、きれいに区切ってある事もあり、読みにくさや分かりにくさは全く感じませんでした。

若干登場人物が多めで少々把握に手間取る部分もありましたが、登場人物をきっちりと把握した後でもう一度最初から読んでみると、今度はまた別のおもしろさが見えてきます。何度も読む事で、よりおもしろさが深まっていく話だと感じました。

単調になりやすいシリーズ物の一巻目にも関わらず、かなりインパクトの強い本でした。非常におすすめです。
痒いところに手が届く小説。 ★★★★★
大昔のゲーム「Wizardry」を元ネタに、と言っても、共通項は基本職業と
主要な人がばたばた殺されるところくらいで、もはや別の物語ですな。
現代日本に突如出現した地下ダンジョンを巡る人々の群像劇。
基本ストーリー自体、とってもワクワクする設定で面白い。
その上、群像劇ってところが、自分にとっては面白さ×10位だ。

ダンジョンに潜り怪物を倒す、冒険者的な役割の人々以外にも、
獲物を買い取る商社の人、冒険活動を支える食堂やコンビニ・
武器防具のメンテナンス担当者、研究者など、ハンパなく多い登場人物
それぞれの視点から語られるもんだから、最初はちょっと話が見えない気がするが、
ここがこの小説の面白い所だ。

ある人には重大な事も、別の人には「そんなこともあった気がする」程度だったり
ある人には、じっくり考えた結論であっても、他の人には全然違う解釈をされていたり、
同じ出来事を、違う角度で見直した時のズレが面白く、ズレてなかった時は
気持ちが通じてた!と嬉しくなり。

普通の小説でも、主に焦点となる人物(達)とは別の人の視点で語られる部分があると、
新鮮で面白く感じる。
例えば、推理小説で、たまに犯人目線が挟まってくる形の話は多い。
それが、全編にわたり、視界に入るあらゆる登場人物の視点で語られまくると、
そういった「この時この人は」「この立場の人はどう関わってるんだろう」
「この行動に対し、相手は?」というような、「裏エピソードを知りたい欲」が
ものすごく満たされるのだ。
(惜しい気がするのは、DQNが一人も出てこない所。
単純に暴力的ゴロツキ的な動機で冒険に入り、そのまんまDQNであり続ける人の目線で見た
迷宮街が欲しかった)

この「迷宮街」の話、ストーリーをさくさく進み結論を知りたい人には微妙かも。
RPGやってて、ついつい脇道にそれたまま、メインストーリー忘れるほどやりこんじゃうタイプなら
絶対合っている!
信者以外はお断り ★☆☆☆☆
評判のよさに騙されて
1巻2巻とまとめて購入し
あまりの読みずらさにひどく後悔しました。
私は2巻から先読んだのですが
この1巻の前半に関しては登場人物が少なく
視点変更も3つぐらいなので、まだ読めました。
しかし後半へ行くほど空気キャラが増え
視点変更ラッシュ+話とびまくりコンボで
読者をたいそう混乱させてくれます。
文章以外のとこで読みずらいのは
勘弁してもらいたいものです。
正直これに比べると奈須ちゃんの
くどい文章のほうが読みやすいと思います。