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空想より科学へ (岩波文庫 白 128-7)

価格: ¥525
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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科学的社会主義とは何か ★★★★☆
エンゲルスの著書『反デューリング論』に示された社会主義理論を労働者向けにわかりやすく噛み砕いて提示したもの。内容は1.「空想的社会主義」、2.「弁証法的唯物論」、3.「資本主義の発展」の3章から構成され、サン・シモンやオーウェンらの社会主義思想の背景とその限界が分析された上で弁証法的唯物論の発展と資本主義の発達の歴史を説明し、資本主義発展の行く末に社会主義が歴史的必然として到来することを説いている。労働者向けのパンフレットだけに非常に読みやすくできている。『資本論』で示されているマルクスの難解な思想をここまで噛み砕いて提示することができたところにエンゲルスの凄さがある。マルクス、エンゲルスの思想の大きな見取り図を得るには絶好の入門書と言える。
よくできた入門書です ★★★★★
資本主義の暗部という外縁を見た。なによりも二つの勢力に分け、正義をつくり、悪はいつか滅びる。という、印象をつくっている。効果的に、有名人の名前を配し、印象づけに成功している。
歴史のチョイスも、見方もよくできた見方である。
が、共産主義運動が廃れて、あらためて考えると、インテリにいい文句を提供し、哲学をいかにもうさんくさい物へと追いやった印象になるのは、不思議である。
この世は舞台である・・・ ★★★★★
 悪らつな資本家やそれに群がる支配階層とそれに虐げられる善良な労働者・・・70年代のTVドラマや漫画・小説にそんなシーンがよく見られた。例えば少年ジャンプに連載された『ドーベルマン刑事』(原作:武論尊 作画:平松 伸二)は、自分の好きな漫画だが上記のシュチェーションのお話が随所にみられる。メジャーどころでは松本清張の作品を思い浮かべるてもいい。悪らつな支配階層の無慈悲な行動が問題の根幹である・・・といった考え方は、我々に訴えかけるものし、ある一面で事実ではあるが、本質的には間違っている・・・とエンゲルスは言っているようだ。仮にエンゲルス自身は資本家を快く思ってないとしても・・・

 資本家は、目的合理性に則って行動するがゆえに、労働者と対立する。しかしながら、そうした資本家の行動も最終的には資本家自体も追い込んで行き、「資本主義」と違う社会システムに移行する。その先はあるのが、階級が消滅した「共産主義社会」である・・・ということらしい。エンゲルスのこの予測は、外れた?というところなのだろうが、よく考えてみると資本主義が行き着いた果てに「共産主義」が到来するのであって、資本主義が未発達だったロシアや中国が共産主義を掲げて国家改造を行ったのは、実は誤りである。本来なら、イギリス、アメリカといった国で「共産主義」は到来する筈であった・・・しかし、そうはならなかった。エンゲルスの予測が外れたのを論ずる場合は、ロシアや東欧の国の共産主義社会システムが崩壊した点より、イギリス、アメリカといった国が共産化しなかった点を考察すべきであるうと思う。

 エンゲルスの思想の特質すべき点は、社会の問題を人間性や、「神」というものから切り離して、「経済」という点に力点をおいて語った事ではないか?これ自体は、別に古い思想ではない。いや、今も・・・いや、今こそ厳然と生きている。唯物史観に与するしないにかかわらず、現在の我々に取って経済は、なにより関心があることではないか?愛情が大事!!それはそうだが、子供の頃、母親が言っていたものである・・・「とりあず、食えないと愛情も続かないものよ」と・・・

 自分は、思う。この世は舞台である。我々はシナリオを渡されていない「役者」であると・・・我々に渡されていないシナリオは、別名「経済の法則」である。人間が勝手に考える「資本主義」も「共産主義」も「人権」も「神」も突き詰めていくと「妄想」であり、人間はシナリオに翻弄される存在でしかない。シナリオを知るということが、「経済学」を学ぶってことなのか・・・・学んだところで、完全に知りえないとしても・・・

 追記:小室直樹氏の著作を読んでいると、共産国家がなぜ崩壊したのか?ヒントが見え隠れしてくる。要するに巧みに「共産国家」を運営しようとすれば、国民全体に「資本主義の精神」がすり込まれていないと無理である。目的合理性といい代えても良い。しかし、競争の無い社会で人間は目的合理性を発揮して動くだろうか?そのあたりにエンゲルスの思想の弱点を感じた。
マルクス主義とは何だったのか? ★★★★★
ソ連崩壊で壮大な実験であり、多くの犠牲者を出したマルクス主義の時代は事実上終焉した。しかしこの大世界運動は本当に無駄だったのか。マルクスが提起した問題は資本主義の勝利によって解決したのか。資本主義体制に対する批判者、反面教師の役割を果たしたという意義はなかったか。どうしてある人はマルクス主義に魅了され、またある人は逆に毛嫌いしたか。これらの問題に対しては全く解答が得られていない。まずマルクスの思想とは、何を目指したものなのかを理解することが必要である。マルクスの盟友エンゲルスによるパンフレット『空想より科学へ』は21世紀を迎えた今もマルクス主義の最良の入門書のひとつである。マルクス主義を支持する立場の人も、批判する立場の人も、パンフレットの手本のような論旨明快な本書でもう一度この思想を省み、提起されている問いが現代にも訴えるべきものがあるか検討することは意味のないことではないと思われる。
偉大なる社会思想家のパンフレット ★★★★★
エンゲルスは、人類史に記録される様な明敏な思想家である。その高い倫理と知的鋭さは、そこらのイデオローグの追従を許さない偉大な人である。彼は、随分、遠くの見える人で、この薄いパンフレットは、宝石のようなものだ、何千ページの凡庸な解説書を遥かに飛翔している。その視力を得たいと思う方は、一言一句、暗唱するほど読んでみるべきでしょう。師の後を追わず、師の求めたるところを求めよ!