子育てについて驚きながら納得できる本
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従来、子育てにおいて有効だと信じられてきたこと(例えば「褒めて育てよ」等)が、実は逆効果になっていることを、なぜそうなのかも含めて、心理学を中心とした実証的な文献(これらは確かな知識なのに広く知られてはいません。)をもとに示してくれる本。
全10章で構成されており、内訳は大雑把に以下のとおりです。
1.褒めて育てることが逆効果に、 2.睡眠を削ることがいかに有害か、 3.人種について子供にどのように話すか、 4.嘘をつく子供に対してどのように対応するのか、 5.知能検査はどの程度有効か、 6.兄弟(あるいは姉妹)の仲に影響を与えるのは何か、 7.親子の言い争いは実は建設的なものであること、 8.自立心は教えられるものなのか、 9.子供社会を上手に生き抜く子はどのような子か、 10.子供の言語能力を発達させる方法は何か
本文が全部で239頁ですので分量も多くなく、恐らくは子供をもつ普通の家庭の読者を想定した、とっても読みやすい内容です。参考文献リストがついていますが決していわゆる教養書ではなく、子供を育てる中で親が最も知りたいことが詰まっています。
この本の著者は、自分の人生に真摯に向き合って本当に知りたいことを探求して本にするところに特長があるように思います。これまでに、このつまらない仕事を辞めたら、僕の人生は変わるのだろうか?、それでも家族を愛してる他が翻訳されていますが、特にこの2冊がお勧めです。
この本も早く翻訳されるといいなぁと思いながらこのレビューを書きました。
蛇足ですが、本書は、(邦訳書名ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代の著者)ダニエル・ピンク氏が昨年のベスト3に挙げていた本でもあります。昨年最も多く線を引いて読んだ本だ、とブログに書いておられました。ご参考まで。