アスペルガー症候群の子供たちの抱える暮らしにくさと、尽きせぬ魅力の両方が、とても分かりやすく書かれた、たのしいファンタジーです。読後、ほのぼのとした気持ちにつつまれました。
似たタイプの自閉症の少年が主人公の小説は、ほかにマーク・ハッドンの「夜中に犬に起こった奇妙な事件」(早川書房)がありますが、こちらはお話の内容も描かれた人間関係などもシビアな面が強く、もう少し年長者向け。