ゴブリン―地下に住む生き物。元は地上に住んでおり人間とほとんど変わらない姿をしていたが、ある時いっせいに日の当たらない地下での生活を始める。そのような生活をし代を重ねるうちに、次第と人間とは異なる外見となっていった。昼間は眠り、夜に活動する。夜間地上に上り、人間たちにいたずらをすることもある。なぜなら彼らは人間たちを嫌っており、中でも自分たちを地下に追いやった王族に対しては恨みを抱いている。
というわけで、お姫様は暗くなるとお城から出させてはもらえません。怖がるといけないので、皆ゴブリンのことはお姫様には内緒にしてます。でも、危険は迫ってたのです。城の塔に現れる不思議なおばあ様に助けられながら、お姫様と抗夫の息子ガーディがゴブリンの陰謀に立ち向かいます。
ゴブリンの設定がお見事です。ゴブリンの姿・棲家・弱点・性格・政治(王様も王女もいます)など、実際に見てきたゴブリン専門家かしら、と思わせるほど説得力あります。中でもゴブリンの王女はいい味出してます。
そしてなんと言ってもお姫様でしょう。8才のまだ幼い子供ですが、ただ助けを待つようなお姫様ではありません。かといって、怖いもの知らずの無鉄砲な子供でもないです。恐れとか不安とかを持っていても、その心に打ち勝とうと頑張る正しい勇気の持ち主です。「出来るように頑張るわ」「もしかして怖いと思うかも知れないけど、すぐにその気持ちを消すようにするわ」。そうか、勇気ってこういう事なのか、頑張れそうな気になるでしょ。
続編も楽しみです。