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カーディとお姫さまの物語 (岩波少年文庫 (109))

価格: ¥11,836
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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読みごたえのある冒険ファンタジー ★★★★★
本書は、「お姫さまとゴブリンの物語」(岩波少年文庫)の続編です。
 病をえた王様は、悪臣にかこまれて国政から遠ざけられ、国は荒れる一方。「おばあさま」に
助けられた鉱夫の少年カーディーは不思議な動物たちを引き連れて立ち上がります。アイリーン
姫と一緒にいろいろな試練を越えて、王様を守り、秩序と平和を回復するまでの物語。
 マクドナルドならではの、幻想的なシーンを交えながらも読みごたえのある冒険ファンタジー
です。
不条理の中できらめく正義 ★★★★★
「これは果たして子供向けのお話なのか?」ととまどってしまうくらいに、性悪な人々が続々と登場します。街ではよそ者を極端なまでに憎悪し少年にさえも残酷な処罰を下そうとする市民、お城の中では政権転覆を狙って側近中の側近さえ王を亡きものにせんと図り、その召し使いに至っては下働きの者まで仕事をさぼり盗みに精を出す、というひどい有り様です。

そんなひどい連中の中にあって、カーディ少年のひたむきさ・誠実さがひときわ輝きを放っています。
私たちが考えている以上に、子どもはちゃんと世の中を分かっているんですよね、いい人や美しいものばかりあるわけではないということを。マクドナルドはそこを踏まえた上で「人生でいちばん大切なものは・・。」と語りかけているように思います。

物語の内容を考えると全体のトーンは暗いはずなのに、どんな状況であってもどことなくユーモアを感じさせるマクドナルドの見事な筆致によって、暗さは感じられません。

どうにも納得しかねる結末も現代社会への警告とも受け取れるし、だからこそ、このお話は終わってなどいなくて、そのまま現在のこの世界へとつながっている-そんな気持ちにもなります。かえって割り切れないラストだからこそ、読み終えた後もあとからあとからイメージが湧いてきて、なんとも不思議な物語です。