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探偵小説と二〇世紀精神 (キイ・ライブラリー)

価格: ¥2,520
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東京創元社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:笠井潔/著 出版社名:東京創元社 シリーズ名:Key library 発行年月:2005年11月 関連キーワード:タンテイ シヨウセツ ト ニジツセイキ セイシン ミネルヴア ノ フクロウ ワ タソガレ ニ トビタツカ キ- ライブラリ- KEY LIBRARY たんてい しようせつ と にじつせいき せいしん みねるぶあ の ふくろう わ たそがれ に とびたつか き- らいぶらり- KEY LIBRARY、 トウキヨウソウゲンシヤ 5147 とうきようそうげんしや 5147、 トウキヨウソウゲンシヤ 5147 とうきようそうげんしや 5147 ダイイングメッセージ、クローズドサークル、犯人特定の論理、読者への挑戦-。第1部では探偵小説を語る上で不可避の論点に、エラリー・クイーン初期の傑作『ギリシア棺の謎』『シャム双子の謎』などを引きながら挑む。第2部では“第三の波”とポストモダニズムの照合によって浮かび上がる、探
「日常的リアリティ」の貧しさと「人形の時代」 ★★★★★
◆「日常的リアリティ」の限界

   〈探偵小説というジャンルそれ自体が、日常的リアリティの
    観点からは「不自然」の塊である。

            (中略)

    問題はあくまでも、「不自然な計画犯罪」にさえ濃密な小説的
    リアリティをもたらすところの、探偵小説的空間の強度にある〉


 けだし、広く流布されるべき至言といえます。

 「日常的リアリティ」のみでミステリをはかると、その豊かさを十分味わうことができません。



◆『匣の中の失楽』(竹本健治)について

   〈『匣の中の失楽』には、(中略)人形の名前を与えられた人物が多数登場する。
     見通しのきかない濃霧の世界に対応する人間は、人形のメタファーで
     語られなければならない。

     人形とは人間の形をしたモノである。またマリオネットがそうであるように、
     なにものかに操られるしかない無力なモノでもある。しかも操り手の正体は
     濃霧の彼方に隠されていて、闘うことも逃れることもできそうにない。


     作者が人形のメタファーで示しているのは、もはや人間ではないが、かろうじて
     人間だった記憶だけは残されているという過渡的な存在だろう。人間だった記憶が
     彼を不幸にする。人間であるべき自分なのに、もはや人間であることが許されて
     いないという致命的な自己分裂。それが耐えることのできない不全感、窒息感、
     失調感をもたらし、閉じられた世界の外に超出するという奇跡を夢想させる。
     不連続線を越えることを。〉



 著者は、竹本健治氏を「タコ足型の『自己消費』派」の代表作家と見なし、その一派の
 作品群は〈一九八〇年代に流行したポストモダニズムの〈中心〉批判、〈終わり〉批判、
 〈真実〉批判の無自覚的な反復にすぎない〉という辛口の批評をしています。



笠井潔 ★★★☆☆
 の本格探偵評論。古典的な探偵小説から、綾辻以降、そして京極、森などの第三の波についての評論。
 戦争における大量死と戦争後における大量生とミステリにおける関連。メタフィクションについての問題、さらには法月との対談まで読みどころがいっぱいある。
 ただ前半と後半でがらっと論旨が変わるので戸惑うこともあるかもしれない。