面白い、しかし、同時に日本の精神医療を憂う
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最初は「心にサプリメントが効くなんて」と眉唾で読んでいたが、この本で登場するハーブやビタミン、アミノ酸といったサプリメントのほとんどが、薬と同等、もしくは薬の効果を高めると欧米の治療ガイドラインにも載っていると知って驚いた。この本はいわゆるコンビニなどで手軽に購入できる多くのサプリの無効性と危険性についても警鐘をならしている。サプリ以外のさまざまな精神治療の最先端である、「うつは休養だけでは改善しない」という慢性疲労改善や生活リズム改善のための行動療法、通常認知療法が無効な慢性うつ病への認知行動的アプローチ等もわかりやすく説明されており、最先端のノウハウでも使えるものは何でも使うという臨床重視な著者の力強さを感じた。後半、多くの精神科医がまことしやかに語る「セロトニン異常がうつ病の原因」は実はウソというのが最先端では常識というのにも驚いた。SSRIを飲んで休養しましょうとしか言えない多くの日本の精神科医は、苦しむ患者やその予備軍の方々にもっと多くの戦う方法論を著者のように提供していってほしい。
ココロにも体にもサプリメント
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最近、私の身の回りにもうつ病や統合失調症の人が増えています。
会社の同僚に告白されたり、身内が一時期入院していたり、、テレビや新聞の情報で誰にでも起こる病気であると理解していても、実際にそのような人に接するときは戸惑ってしまうのが正直なところです。
普段サプリメントを飲んでいることもあって、平積みされたこの本のタイトルに惹かれて購入しましたが、第一線にいる精神科医が書いた本であるにも関わらず、一般の人にも非常に分かりやすく書かれています。「サプリメントがココロに効く理由」「めげそうなココロが晴れるサプリ」「女ゴコロにサプリが効く」など、各章には興味をそそるタイトルがつけられていますが、どの章も納得させられる内容でした。
6章のサプリ選びのポイントも非常に分かりやすく説明されています。
日本では未だに「イメージで売る商品」になっていますが、安全・安心であることがきちんと証明された製品を選ぶことが重要です。この本では「安全・安心の証明って何?」というところについて、サプリ先進国のアメリカの事情も交えて説明しているので、私にとっては一番参考になりました (やっぱりアメリカ製サプリがいいんだなぁと)。
家族や友達などに心の問題を抱える人をもつ方、心も体も健康でありたい方にオススメしたい一冊です。