矢野金太著「劇的にｽｺｱがのびる!ﾎﾞｳﾘﾝｸﾞ絶対上達」のﾚﾋﾞｭｰで「私は現在ｽﾗﾝﾌﾟ状態が数ヶ月続いている中級者で（ｱﾍﾞ190から160に低迷）、何とかしたいともがいてます」と書いた者です。多少上向きになったもののｽﾗﾝﾌﾟはまだ続いています。実はｽﾗﾝﾌﾟに陥った原因は、本書の著者による前作「水野成祐のｱﾒﾘｶﾝｽﾀｲﾙﾎﾞｳﾘﾝｸﾞ入門DVD」を見てﾛｰﾀﾞｳﾝ投法にﾁｬﾚﾝｼﾞし、結局ｷﾞﾌﾞｱｯﾌﾟし、元に戻そうとして戻らなくなって訳が判らなくなってしまった事にあるのです。ｺﾝﾄﾛｰﾙ、ﾘﾘｰｽ、ﾎﾞｰﾙの回転全てが一定せず滅茶苦茶になってしまいました。こう言うと水野ﾌﾟﾛに恨み骨髄で「☆1ｹ」どころか「☆ﾏｲﾅｽ5」にしたいところですが、水野ﾌﾟﾛに何んら責任はありません。そもそもﾛｰﾀﾞｳﾝ投法など50歳を過ぎたおっさんが始めるべき代物ではないのです。若いﾎﾞｳﾗｰがちゃんと指導者に付いて始めるべきものだと思います。…簡単そうに見えますが、ﾎﾞｳﾘﾝｸﾞは難しく奥深いものです。現在ﾊﾟﾜﾌﾙなﾛｰﾀﾞｳﾝ投法全盛かというと、ﾎﾞｳﾘﾝｸﾞの本場ｱﾒﾘｶで誰もが認める最高のﾌﾟﾛであるｳｫﾙﾀｰﾚｨｳｨﾘｱﾑｽJRあるいは小さな巨人ﾉｰﾑﾃﾞｭｰｸは40歳台半ばから後半の年齢で昔ながらのｵｰｿﾄﾞｯｸｽな投法をしています。ｺﾝﾄﾛｰﾙと経験に基づくｱｼﾞｬｽﾄ力がより重要ということです。日本でも同様で還暦を過ぎた矢島純一ﾌﾟﾛがいまだにﾄｯﾌﾟﾌﾟﾛとして活躍していますし、本書の著者水野ﾌﾟﾛは今現在未勝利です（七不思議のひとつと言われているようですが…）。私はﾎﾞｳﾘﾝｸﾞを死ぬまで楽しみたいと思っています。その為にはﾛｰﾀﾞｳﾝ投法は、習得するにしても長い年月が掛かりそうですし、老いた身体には無理が掛かり過ぎ逆効果なのではないかと感じています。…とは言え常に自分の投球に満足せず改良を試み、失敗したり成功したり、一喜一憂しながら上達を目指すのがﾎﾞｳﾗｰの心情なのです。その点で前作DVDおよび本書には貴重なｱｲﾃﾞｱと理論が一杯詰まっています。何より水野ﾌﾟﾛのﾎﾞｳﾘﾝｸﾞに対する真摯な態度かつ物惜しみしない丁寧な教え方には頭が下がります。矢野金太著「劇的にｽｺｱがのびる!ﾎﾞｳﾘﾝｸﾞ絶対上達」のﾚﾋﾞｭｰでも書きましたが、ﾎﾞｳﾘﾝｸﾞを始めとするｽﾎﾟｰﾂの教科書はDVDのような視覚的教材を目で見て身体で学び、活字になった書物を読んで頭で学ぶのが最良と考えます。その意味では本書と前作DVDはｾｯﾄで購入すべきだし、まさに最強の教材と言えます。中にはおまけ程度にDVDの付いたﾁｬﾗﾁｬﾗした薄っぺらな内容の教科書も販売されていますが、本書+前作DVDはそれらとは断然一線を画しています（山本幸治ﾌﾟﾛのNHK趣味悠々のｽﾎﾟｰﾂﾎﾞｳﾘﾝｸﾞのDVDとﾃｷｽﾄも理論的でお薦めですよ）。

本格的にボウリングを初めてから8年が経ちます。
それまでに色々なプロに教わったり、ボウリング関連の本が出ると
購入しておりましたが、（これらを否定しているわけではありませんので）
この本からは娯楽の一つとして見られがちな
ボウリングをもっとスポーツとしても認知されたい。
また、もっと奥の深さを知って欲しいと云う思いが伝わってきます。
フォームの写真や、パターン別レーンコンディションのイラストによる説明も
非常に理解し易いと思います。
この本を読んで幅広い投球の出来る上級ボウラーを目指して頑張ろうと思いました。
中級、上級層がもっと厚くなれば日本のボウリング界はもっと大きく
変わっていくのではないでしょうか？