インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

Inverting the Pyramid: The History of Football Tactics

価格: ¥1,247
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Orion
Amazon.co.jpで確認
refined out of existence 見事な英語の表現ですね ★★★★☆
狙いは大げさなものです。100年以上のサッカーの歴史を各国に振り返りそこに戦術、もっとはっきり言えば、システムの変化を探ろうとするものです。最初のシステムが、2−3−5だとすると、そのピラミッドをひっくり返して逆さにしたのが、5−3−2、もしくは4−5−1、並びにそのヴァリエーションだというわけです。これがこの書物の題の解題といわけです。この転倒への到達に100年のサッカーの戦術の発展がたどられます。著者は、この転倒という現象の発現形態の現れ方に各国のサッカーの特殊性と価値観を見出します。取り上げられる国は、多岐にわたります。wembleyで初めてイングランドを破ったハンガリーからロシア(プレシングの発祥)、イタリア(カテナチオとゾーンプレス)、アルゼンチン(メノッティとビジャルドの対立)、ブラジル(4−2−4)、イングランド(4−4−2)、そしてswedenまでもが取り上げられます。どの国にも存在した勝利と美との間の対立とそこから生み出される戦術の発展(システムの応用と微調整)が焦点となりますが、転倒というわけですので、基本的にはデフェンシヴな戦術への変化が焦点となります。戦術とシステムの発展は、永遠と思われたDF、MFとFWの区分すら曖昧なものにしており、古典的なウィングというポジションが消滅したように、CFというポジションすら、その変化の後には消滅してしまう可能性があることが示唆されます。もっとも消滅というよりは発展的な解消といった方がいいのかもしれませんが。たしかに見事にシステムの発展がたどられますが、見たこともないそして映像も残っていない50年以上前のシステムがきれいに文の上で整理されてしまうのは、後知恵の成せる業という印象は否めません。4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)との併読を勧めます。