ヘルベチカはサンセルフ体の一種の単純明快な印字体で、広告や看板、文学作品でよく見かけられる。この書体によるRの脚の部分はカーブを描き、iとjの点の部分は四角になっている。Qのしっぽ部分は角張り、OやQやCの内側の空間は楕円形をしている。ヘルベチカは万能タイプの活字体で、あらゆるメッセージを明確で効果的に伝えることができる。まさに最高傑作の印字体のひとつと言えるだろう。
『Helvetica: Homage to a Typeface』ではヘルベチカが使用されている400の実例が紹介されていて、それらは2つのまったく相容れない世界から選ばれている。つまり、有名デザイナーらの傑作と、無名作家の作品を集めた一癖あるものや気の利いたもの、魅力的なものや興奮するようなものが並べて紹介されているというわけだ。
マックス・ミーディンガーによってスイスのハース社のために1957年にデザインされ、 当初はハース社のグロテスクと呼ばれていたこの書体は、19世紀後半のグロテスク体をもとにしたものであったが、改訂によりサンセルフの一種ネオグロテスクの仲間に入れられた。そして1960年代にはヘルベチカ(ヘルベチカとはラテン語でスイスの意味)と改名され、米国に紹介された。最近、再び人気のある書体として、若手デザイナーがポスターやイベント広告に使用することが多くなってきている。本書はラース・ミューラーがこの現代デザインのアイコンに対して敬意を表するために出されたもので、もちろん、ミューラー自身も自分の作品にこの書体を好んで用いている。
ヘルベチカは国税庁の書類にも使用されている。スイスでは政府関連の書類からランジェリーのカタログまで幅広く使用されている書体。
ラース・ミューラー著。
ハードカバー、160ページ、カラー画像200点あり。
デザインの引き出しにもグッド!
★★★★☆
世界で一番有名であろうフォント「ヘルベチカ」を使ったデザインをまとめた本。
企業のロゴや街中に張られているステッカーまで、さまざまな事例が写真で載っています。
仕事以外でデザインしないといけない人や、チラシ・フライヤーなどを作ったりする人の、アイデアの引き出しとしても使えると思います。
フォントに興味が無くてもオススメ!
★★★★★
表紙のシンプルかつ強烈なデザインにまず惹かれた。
中を見ると、映画やファッション、街の標識など、
このフォントが使われた様々なデザインや広告が載っている。
私が大好きな映画のポスターや、持っているCDジャケが載っていて
妙に感動してしまった。
「へ〜、これもhelveticaなんだ」という発見がたくさんあった。
年賀状なんかに応用してみたくなる。
もちろん、私のような素人にはかっこよいデザインは作れないけど。
これは、買い!
★★★★★
グラフィックデザインをやっている方なら、ほとんどの方が御存じのHelvetica・・・。
単純な書体のようで奥が深い。
ひとそれぞれだけど、私はさらにこの書体に魅力を感じるようになりました。
タイポグラフィ初心者必携
★★★★★
私はタイポグラフィについ最近興味を持った。
そんな私でものめり込むほどこの本は面白い。
こんなにシンプルなフォントなのに、これほどまで表現の幅が広いとは思わなかった。
フォントマニアにも、そして私のようなタイポグラフィ初心者にも必携の書であることは間違いない。
デザイン・アート界発展の源
★★★★★
フォントHelvetica無くして現在のデザイン・アート界の発展は無かっただろう。バウハウスからスイス派、現在に至るまで最も使用頻度の高いフォント「Helvetica」。この書籍は、Helveticaを作り出したLars Muller社の編集者達が監修のデザイン秀作集。Helveticaを用いたColette、COMME des GARCONS等の広告も含む、全デザインの源ともいえる見応えある素敵なバイブル本。