エレガンス
★★★★★
岸さんは、私の母の世代の方ですが、今でもチャーミング。それは人生のひとこまひとこまを大切に生きてこられたからこそだと、抜粋されているエッセイが教えてくれる1冊です。エレガントさを身につけた上で、訪れたいパリのお店が紹介されていて、人生の目標ができます。
過去に生きてやしませんか
★★☆☆☆
各章のエッセイのほとんどが『巴里の空はあかね雲』や『私の人生アラカルト』とか70年代の過去のものからの引用で、その後に岸さん以外が書いたガイド文が続く全体の文章構成です。新しい書き下ろしが少なすぎて、その点ではなんともがっかりしました。
本当は年齢とともにもっともっと前向きな岸さんを期待してましたが、この2006年の時代に、出てくる文章がこれでもかこれでもかと50年代から70年代の話ばかりで、結局は他の女性と結婚するために離婚させられたフランス人映画監督との30、40年前の思い出話ばかり。。
読み終えて複雑な悲しい気分になりました。
写真のパートはとてもきれいで素敵です。70過ぎて何でこんなにスラッとしたスタイルでおしゃれで優雅で、パリの街に合う人なんだろうと。でも遠い昔の出来事ばかりのエッセイとのアンバランスや、他の引用ばかりの読者に対して安易な出版姿勢を考えると、この映画のひとコマのような数多くの写真が現在の岸さんの本当のライフスタイルを忠実に表現しているのだろうか、とも思えてきました。(初めに出版社が考えついたコンセプトありきの半分フィクションのよう、ではないことを望みます)
あと1つ気になったのは、パリでは浮浪者も哲学者に見える、と誰か言いましたが、何度か文中で出てきたセーヌ川の浮浪者との飲み交わすお話。岸さんの気さくな一面である一方、日本では著名な女優岸さんが隅田川や代々木公園の浮浪者とは間違ってもそんなことしないだろうなあと思うと、ただ単に白人にあこがれている日本女性にも悲しいかな見えます。
次回は100%書き下ろしのもっと未来志向の前向きなエッセイを期待します。
やっぱり素敵です。
★★★★☆
著者の他の作品を読んでいる方には 引用部分が多いので少々物足りないかも。パリの案内書というより 美しくこんな風に年齢を重ねたいという女性の指南書としては 大いに刺激になります。
私のパリ私のフランス
★★★★★
待ちに待ってやっと手にした。目の周りがじぃぃんと熱くなり涙が溢れてくる頁が...きっと彼女は強いんだと思う。強さをフランスという国でパリという街で身に付けたのだと思う、その歳月に起きた出来事やその暮らしの中で。ただ、強さだけではない。美しさ、美しくあること、女性であることと同時に...パリの女性が持つ独特の何かが魅力として備わっている。決して日本人には太刀打ち出来ないような何かが。どちらが良いかという事などではなく、どこか遠くにある様な強さなどという一言では表せない言葉や文字にならない何かがこの一冊から伝わってきた。知的で魅力的で且、エレガント。軽妙でいて十分な重み。薄っぺらな美しさや優しさなどではない厚味や深さ、絶対的に一人の女性であること...そういうものを感じた。永遠に魅力的な女性であることが伝わってきた。ずっと大切にしたい、何度も広げる一冊になると思う。
私のパリ私のフランス
★★★★★
待ちに待ってやっと手にした。目の周りがじぃぃんと熱くなり涙が溢れてくる頁が...きっと彼女は強いんだと思う。強さを、フランスという国でパリという街で更に身に付けたのだと思う。その歳月に起きた出来事や暮らしの中で。ただ、強さだけではない。美しさ、美しくあること、女性であることと同時に...パリの女性が持つ独特の何かと同じようなものが魅力として備わっている。決して日本人には太刀打ち出来ないような何かが。どちらが良いかという事などではなく、どこか遠くにある様な、強さなどという一言では表せない彼女の言葉や文字にならない何かがこの一冊から伝わってきた。知的で魅力的、且エレガント。軽妙でいて十分な重み。薄っぺらな美しさや優しさなどではない厚味や深さ、絶対的に一人の女性であること...そういうものを感じた。永遠に魅力的な女性であることが伝わってきた。ずっと大切にしたい、何度も広げる一冊になると思う。