旧約聖書釈義のHow To本、文献表として最適です
★★★★☆
著者のステュアート氏はGordon-Conwell Theological Seminaryの教師で、ギリシャ語、ヘブル語、ラテン語、アラム語、エジプト語、ウガリット語、バビロニア語、アッシリア語、シリア語、アラビア語、フランス語、ドイツ語を理解する、旧約聖書博士です。
本文批評から適用にいたる12の釈義・説教準備ステップを(1)総括、(2)テキストを用いた具体的説明、(3)説教準備時の簡易的方法、(4)参考資料、という4つの視点から繰り返し記す、特徴豊かな本です。
旧約釈義と講解説教の流れをつかむには、「総括」の視点から12のステップを学ぶのがよいでしょう。
具体的な釈義論文の書き進め方を学ぶには、「具体的説明」の視点から12ステップを学ぶのがよいでしょう。
旧約聖書講解説教を作成するには、「簡易的方法」の視点から12ステップを実際に行うのがよいでしょう。
具体的な参考図書の選定を考察するには、「参考資料」の視点から12ステップを実際に行うのがよいでしょう。
4つの視点から12ステップを繰り返し記す書き方に、慣れが必要でしょう。ここが星5つでない理由です。
辞書、文法書、アトラス、緒論の優れた書をもっていても、それらの使用方法と使用タイミングが分からなければ、宝の持ち腐れです。釈義と説教を実際に行うために非常に役立つ一品です。注解書の紹介にすぐれた『Old Testament Commentary Survey』と併用するのがお薦めです。