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こころの音読―名文で味わう英語の美しさ

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 講談社インターナショナル
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自分の好きな文章を何度も音読書写する。 ★★★★★
どの文に感銘を受けるかは人それぞれでしょうが、私はヘレンケラーとサリバン先生の文章に感銘を受けました。「認識の扉が開かれたとき人は生まれ変わる」ということがこれほど感動的に書かれた文は他にないのではないかと思います。ヘレン自身の喜びと同時に教育者としてのサリバン先生の喜びも如何ばかりであったろうかと想像します。何度も音読しなおかつ筆写してこの文を味わいました。また他に、ラッセルの文の英人話者の音読には驚かされた。英語にはこのような読み方もあるんですね。アメリカ英語にのみ慣らされている身には新鮮な驚きです。この三つの文だけでも価値がある本だと思いました。
本そのものは素晴らしいが・・・ ★★★★☆
『英語達人読本』に続く、斎藤氏の音読本第二弾。
全体的に前作より引用文が長くなっているが、
ある程度のレベルの人には、これくらいあった方が良いと思う。
ナレーションも落ち着いた雰囲気で、コピー練習にも適している。

英文のレベルは「やや高め」で、初心者向きではない。
が、斎藤氏がプライドをかけて選んでいるだけあって
どれも味わい深く、中・上級者は必読といっても良いものだ。

ただし、斎藤氏の「本書の使い方」には従わなくていい。
氏の指導はやたら厳しく、英文科の学生やプロ志望者には良いが、
一般の学習者が手を出すと挫折する可能性が飛躍的に高まるからだ。
(自分の専門分野に厳しさを求めるのは学者のサガなので、
ある意味これは仕方がないのだが・・・)

英語に親しみ、末永く付き合って行きたいなら、
いわゆる「受験生メンタリティ」は捨てた方が良い。
言い換えれば、趣味の学習にテスト的要素は不要である。

たとえば、初出の英文をテキストを見ずに(無理して)聴くというのは
「テスト」であって、これは断じて「練習」や「趣味」ではない。
聴き取れないものは、どれだけ必死になっても聴き取れないからだ。
反対に、一読した後なら大概のものは聴き取れる。

テスト的方法を「自分の弱点を把握できて良い」と考える人も多いが、
それだと次回以降「聴き取れなかった部分」に注意が集中してしまう。
名文の美しさを楽しむはずが、受験勉強的アプローチによって
意識にいびつな偏りが生じ、本来の目的から遠ざかってしまうわけだ。
これでは、数ある音読本の中から本書を手に取る意味がない。

だいたい、目を固く閉じ、スピーカーに耳を近づけて
必死で言葉を拾おうとする姿は滑稽であり、異様ですらある。
(多くの人が思い当たるはずだ)

少なくとも本書では、「意志の力で苦しみに耐える」必要はない。
それぞれ好きなやり方で、珠玉の名文を味わうことに徹するべきだ。
もちろん、「自分は負荷の高いやり方が好きなんだ!」という人は、
テスト的な取り組み方でも良いとは思うが・・・。

最後に、(これも斎藤氏の悪癖だが)わざわざ他の音読本を
貶めるような記述は、本書の品位を落とすだけであり、不要だと思う。
文章選別の腕が良いかどうかは読者が判断することであり、
著者自らが語ることではない。分かる人には分かるのだから、
達人は達人らしく、ドンと構えていてもらいたい。
大好きです ★★★★★
まず、レイアウトに惹かれた。派手な本が並ぶ中、かえってこのシンプルさに目を引かれたのだ。
その時は、中身を瞥見して、つい買ってしまった。けれど、使ってゆくうちに良さがしみじみと伝わってくる本だった。
シンプルかつ印象深い。英語のエッセンス(といっても、その価値観は人それぞれですし、この本だけだなどとは思いませんが)が詰まっている文だと感じました。どの話も、英語のリスニングという枠組みではなく、読み物として十分に楽しめ、糧になるものでした。
特に私はアインシュタインの演説文が好きです。理由のひとつは、構文として複雑な部分もあり、勉強になったこと。もうひとつは、演説の内容が教養として知っているべきものであるところ。
高校生から大人まで使えると思います。「各文の著者の説明+音読のコツ(見開き1ページ)」「本文(数ページ)」「もっと読みたい人への邦訳の紹介(1ページ)」のシンプルで、うるさくないつくりは、英語が好きな年配の方にも好まれるのではないでしょうか。