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戦争と万博

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 美術出版社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:椹木野衣/著 出版社名:美術出版社 発行年月:2005年02月 関連キーワード:センソウ ト バンパク せんそう と ばんぱく、 サワラギ,ノイ さわらぎ,のい、 ビジユツ シユツパンシヤ ビジユツシユツパンシヤ 7129 びじゆつ しゆつぱんしや びじゆつしゆつぱんしや 7129 戦前に計画された紀元二六〇〇年博と1970年の大阪万博EXPO’70を結ぶ、都市計画家、建築家、そして前衛芸術家たちの、終わりなき「未来」への夢の連鎖のなかに「環境」の起源をたどるタイムトラベル的異色長編評論。 第1章 「爆心地」の建築-浅田孝と“環境”の起源第2章 一九七〇年、大阪・千里丘陵第3章 「実験(エキスペリメンタル)」から「環境(エンバイラメント)」へ-万博芸術の時代第4章 ネオ・ダダとメタボリズム-暗さと明るさの反転第5章 戦争・万博・ハルマゲドン第6章 そこにはいつも「石」があった第7章 ダダカンと“目玉の男”第8章 万博
大阪万博の戦犯洗い出しから始めなければならないのだろうか…? ★★★★☆
 19C中葉に始まる国際博覧会が帝国主義の遺伝子を抱えていることは当然だと思うし、敗戦から四半世紀後、高度成長の只中で開催された大阪万博の場合、東京オリンピックに勝るとも劣らない国威発揚の含意があったことは想像に難くない。各国の技術や美意識の水準を示すという博覧会の趣旨から考えて、そこに多数の技術者・芸術家が動員されることも当然だろう。
 ただ本書の手柄は浅田孝という人物を掘り起こすことによって、1942年の「大東亜コンペ」一等に選ばれた丹下健三の「大東亜建設忠霊神域計画」と大阪万博を具体的な系譜によって繋いで見せた点。鍵になるのが、建築を都市計画的な観点から捉える「環境」の概念で、これがメタボリズムやエンバイラメントの会へと引き継がれ、その中心メンバーが万博の企画に深く関わる。多くの技術者・芸術家を呑み込んだこの巨大プロジェクトを著者は満州国建国と等置し(p252)、さらには田中角栄の「日本列島改造論」に継承されたと論じる(p264)。
 著者は結論部で、浅田の思考が「官僚制の手に落ちてしまった」(p285)のは「クリナメンの欠如」に起因するとし、これに岡本太郎とダダカンを対置する。それは沖縄であり、バロック的呪術であり、挫折させられた讀賣アンデパンダンに集った「無軌道な前衛芸術」(p76)なのだが、この辺りは「弥生に抗する縄文」だとか「縄文はクリナメンだ!」だとかいう紋切型に落ちそうな性急さも感じた。
 しかし浅田孝が浅田彰の叔父という事実もあり、本書中で「浅田、浅田」と連呼されるのが浅田彰みたいに読めて、必ずしも不自然でないのが不気味だった。
進歩と調和・・の廃虚 ★★★★☆
~美術評論、というジャンルに属する本なのだが、第二次世界大戦→大東亜戦争→大東亜共栄圏→アジアの統一→進歩と調和→世界万国博覧会・・・という連想ゲームの中で、「戦争以外では最大の国家事業」となった1970年の大阪万博の「裏」を暴いてゆく衝撃の書。60年代の「前衛」が国のお墨付きをもらって腐乱してゆき、「進歩と調和」が結局のところ廃虚しか生み~~出さなかった・・と見る皮肉な視点に拍手。
ちょっと思ったのだけれど、この中に登場する前衛美術家かなにかを探偵にして謎解き仕立てにすれば、「ダ・ヴィンチ・コード」みたいな壮大なサスペンス小説になるかも。~
サスペンス? ★★★★☆
スルスルとつながっていく様々な人物と事象。
その人生ひとつづつに思いを馳せると、読み手に深く呼吸をさせるようなざわざわした気持ちになる。
面白かった!