こころに染み入る言葉の数々
★★★★★
派手なアクションに目を奪われない分、一つ一つのことばが心に染み入って泣ける。
文章でしか表現できない心の機微を伝えている。
また、ここでしか知ることのできない内容がある。
なぜ彼らがあのような行動に出たのか、答えがここにある。
チャングムで朝鮮王朝の身分制度を知った後なので、
主人公達の宿命に、さらに切なさがこみ上げる。
最初、「チェオクの剣 (大型本)」を入門のつもりで読んだが、
情景がなかなか伝わってこなかった。
この本で「どんな場面で、どの名台詞が出たのか」を知り、
その後DVDや「チェオクの剣 (大型本)」を見ると、シーンがとてもよく分かり、
また違った深い味わいが感じられる。
一気に読みたくなるおもしろさ!
★★★★★
本書は、日本人作家・田代親世氏によって『茶母』韓国放送時のオリジナル脚本をもとに小説化された作品である。
著者のことわり書き通り、作品のテーマに沿ったノベライズ版なので、ドラマの映像だけでは理解しきれない作品の背景や詳細な設定を知ることができる。例えば、ファンボ・ユンが少年期に山寺籠もりをして身につけた僧軍秘伝の剣術を、たった一度切り結んだだけでソンベクに見抜かれ大変なショックを受けた事件。ソンベクが見抜けた理由は、その後のストーリー展開に深く関わってくるのである。
もちろん、小説そのものとして読みごたえ十分な作品であり、テンポの良い軽快で美しい文章に引き込まれてしまう。続きが気になり、次の章、またその次の章と読み進めていくうちに、あっと言う間に上巻から下巻へ読み進んでしまった。
封建制と儒教社会に縛られ、さらに境遇や疾病などにより様々な差別を受けながらも、ひとりひとりの登場人物の逞しい生き様が生き生きと描き出された歴史小説である。
脚本がよいですね
★★★★☆
「さらっと読めてあらすじがしっかりと確認できる」という感じです。
人物の気持ちの描写がアッサリしているなと思う部分が多くありますが、何しろ息をつかせぬ展開で、読み出すと止まらなくなってしまいました。
映像をみるのと違い、ことばの読みを文字で確認できるのはイメージが変わってくるので面白いと思います。
なので、TV放映の予習・復習には丁度良いのではないでしょうか。
ただし、小説のようなボリュームのある描写を期待している方には物足りないと思います。