なかなか?
★★★☆☆
個体群生態学の教科書として書店で見たとき,基本的な個体群動態の式を説明しているようで良いのではないかとおもい購入し,輪読会に利用してみました.ところが第1章を読んだ段階で,いきなり離散モデルが説明されることなく,連続帯モデルに変換されていて,どうやったら式が導き出されるのかで躓いてしまいました.基本的には写像を用いて考えるようですが,その説明がありません.また,第二章に入り,reporoductionが再生産と訳されているため????入門書としてはどうでしょうか?第三章では行列式の(3.8)から先の式の展開は基本的には(3.6)のNtが0ではないことからすでにわかっていることで,たぶん誤訳があるのではないでしょうか?原本を見ていないので,何ともいえませんが入門書として扱うには,数学,生態学を両方理解していることが必要なためかなり知識が必要でしょう.また,そのほかにも誤植が多く,行列式の数値も間違っているため注意深く本を読む訓練には最適でしょう.入門書としては日本人の書いた教科書の方がわかりやすいとおもいました.しかし,いろいろな図から数学的にどのように考え裸得るかについては詳しく説明している教科書だと思います.