おばかフロントマンとぐうたら管理員: 現代長屋の半実利的ボヤキ物語
価格: ¥0
【内容紹介】
65歳定年時代。定年を迎えてもまだ働けるし、働きたい、ヒマを持て余すのはイヤ等々。多少のビジネス・ノウハウも持っているなどとして、マンション管理の黒衣ともいうべき陽の当たらない職業に眼をつけ、第二・第三の生業にしようとお考えの方々に贈る実用書。
【本書の構成】
プロローグ むずかしい現代長屋住まいのせめぎあい
張り紙の抑止効果は一日限り
難しい公開空地での駐輪場新設
管理員泣かせのアルコーブ専有使用
他人には見えないメーターボックスのなか
ごみを持って行くのは犯罪行為
リサイクルされるのは古紙ばかり
第一章 毎日が思わぬ事件と失態続きの新米管理員時代
クルマが消えてなくなる幽霊駐車場
肝心の車番が書かれていない一覧表
シャッターを開けろと要求するカラス
カラスネットは人間様にも無用の長物
管理事務所はクレーマーのうっぷん晴らし所
公開空地のベンチは若者のセップンの場
管理員は片目で見てもらえるうちが花
管理員の仕事は目視で可否を判断
第二章 メリット利用で笑いが止まらないマンション暮らし
集会室のベランダはまるで一面の銀世界
お風呂詰まりは雑排業者の手抜き工事のせい
修繕費は個人の不始末を補填するためのもの
被害状況確認と証拠写真は必ず撮っておく
保険の適用判断は保険屋と管理組合がする
本当にあった《片付けられない主婦》の家
しっかり水太ったほっそり面奥さん宅
第三章 設備の老朽化はココロと情報収集力の劣化から
炊飯器の蒸気をガス警報器が感知
気の短いひとはお早めにお取替えを
素人同士の推断論議は時間の無駄
地下にある車両に「不正駐車禁止」の張り紙
《ま、いっか》の一声が大パニック事件の原因に
集合住宅のメリットを最大限に活かす
細やかな後付サービスが必要な集合住宅
第四章 鉄の扉のこちらにもちょっぴり切ない人間模様
買いすぎてしまった余りもののおすそ分け
《間接》技で騒音を食い止める住民さん
江戸での恨みを長崎で晴らす住民間紛争
憶い出づくりのためなら、なにをしてもよい
テナントオーナー言いなりの管理会社
健康な患者さんだけが通う施療院
マンション管理は悪平等くらいがちょうどいい
ウンコ常習犯の嘘で追及がエスカレート
あまりの深入りは骨折り損のくたびれ儲け
第五章 ああいえばこう言うフロントマンの珍言語録
理事長の前で上司を呼び捨てにするのは失礼
管理員や清掃員は家族のような存在
その都度ルールが変わる《臨機応変な対応》
管理員は使い捨ての時間外労働マシーン
配置転換される運命の清掃員寄りフロントマン
元学校の先生、元警察官、そして元お役人
管理会社にもあった『ミナミの帝王』の世界
第六章 やがて悲しきヘロヘロ管理員のトホホ談義
またまた言わんこっちゃない管理員交代劇
管理員業務講習を四度も受けた《太っ腹》理事
過ぎて及ばなかった《青春年齢三十歳》の老管理員
金を払いさえすればなにを頼んでも構わない
駐車場使用料はマンション最大の収入源
ひとのことは言えないルール無視住民の言い訳
なんの車であろうが《行く道》《きた道》関係なし
第七章 アレもコレもおんぶに抱っこの高齢化住宅
業務丸投げで高みの見物を決め込む組合役員
夜討ち朝駆けの取立を強要するフロントマン
高齢化の波にさらされるマンション住民
ひとごとではない自立心の磨耗と脳の経年劣化
他罰的傾向が生む恥ずかしい思い違い
自分の非は棚上げで逆ギレする自己虫オヤジ
第八章 クレームモンスターたちの恐るべき言い分
開き直りにもほどがある逆切れモンスター
視力0・6以下でクルマの運転をするクレーマー
血は争えない逆切れモンスターのDNA
証拠あっても被害届なければ宝の持ち腐れ
目立たないところの防犯カメラにはご用心
当て逃げがバレてもカエルの面なお譲さん
サルでもチョンコでも判るように書いとけ
エピローグ 以心伝心――感謝と真心が伝わる贈りもの
友人にもつなら医者、弁護士、モノくれるひと
あの世にまで持って行ってもらった縫いぐるみ
モノは拾われた時点でそのひとのもの
手土産にもらった中国文化満載の舶来品
二千を越す管理会社の大半はデベロッパー系
管理員ならどんな目に遭っても構わない
社長じきじきの慰労をかねたお見舞いのことば
【著者紹介】
ひょんなことからマンション管理業界に足を突っ込んだ団塊の世代。日々コンプライアンス知らずのおバカフロントマンやモンスター住民との軋轢に身をよじり、少しでもそのような境遇から抜け出したいと国家資格である管理業務主任者試験に挑戦。二度目のトライで無事合格を果たす。現在、日勤の管理員として某マンションに勤務。優しい住民ならぬ幼稚園児たちに「会議のおっちゃん」と慕われ、心癒される日々を味わっている。
【著者寸言】
本書に登場する数々のエピソードは、反面教師の好個の見本として、少しは役立ってくれるのではあるまいか……。はじめ楽しく、なかぱっぱ、やがて悲しき鵜飼かな――なんのこっちゃ――ではないが、笑っているうちに身につまされ、ひいては仲間が増えた気がして安心する。本書は、日々涙でやり過ごす管理員さんたちにとって、少しでも溜飲を下げられる半実利的ボヤキ物語になってくれればと願っている。