妻と犬連れ日本一周、車中泊の旅
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文章の構成を変えて、旅の準備については前に持ってきて、地図を付けました。(2015/04/05) 文字数は約115,000字(400字詰め原稿用紙290枚分)あります。犬連れでも車中泊の旅は難しくありません。「やろう」と思えば誰にでもできることと、旅を長く続けるための精神的なノウハウは参考になるかもしれません。
あらすじ:
51歳のフリー写真家の男(私)。40歳の女(妻)。2歳のやんちゃなビーグル犬ヴィーノ。偶然いっしょに暮らしはじめることになった血も種も越えた、二人と一匹の家族が1台の車に世帯道具を積み込み、車中泊しながら北海道から沖縄まで、全都道府県を旅した旅行記。総走行距離は約2万7000キロメートルになった。偶然なのだが、最初に旅したのが千葉県、茨城県、福島県、宮城県、岩手県の太平洋岸沿いだった。この2年後、東日本大震災が起きた。
もともと犬とは相性がよくない私は、中国で犬に咬まれて犬嫌いになったが、皮肉にも、妻の希望で犬と暮らすことになる。中国のカザフ族やモンゴル族の遊牧民の生活を見てから、彼らのような移動生活にあこがれていた私は、遊牧民的な旅をしてみたいと夢見ていた。ネットさえつながれば仕事ができるようになった今こそ、「新遊牧民」を実行できるチャンスと思い、妻と犬を連れて日本一周の車旅をすることにした。
やってどうなるか? どんな意味があるのか? 考えはじめるときりがない。それで、とにかく出ることにした。出てから考えようということだ。衝動的で無謀な計画だったかもしれない。
都道府県をすべてまわるということ以外、はっきりした目的地もなく、その日その日、行きあたりばったりの旅をした。当日の朝、地図を見て、おもしろそうなところへ行ってみる。夕方になったら温泉を探し、スーパーで買い物し、食事を作り、車の中で寝る…。3頭の「群れ(家族)」が移動するシンプルな生活。遊牧民と同じで、少ない装備でも長期の旅ができることがわかった。
移動する生活そのものがわくわくする。何を見るでもなく、何か名物を食べるでもないのに、なぜか楽しい。それはまさにカザフ族の生活で見つけた気持ちよさだった。
もちろんトラブルもたくさんあった。
「犬と暮らす」ということは、私たちにとってどういうことなのか、考えながらの旅になった。犬の目線で見る日本の旅にもなった。
また、こういった遊牧民的な車旅をしている人たちが意外に多いことにも気がついた。とくに定年退職した年配の人たち。その数がだんだん増えているという日本の現状も知る旅になった。
旅の最終ゴールは・ ・ ・。
著者プロフィール: 青柳健二(あおやぎけんじ) 写真家
1958年山形県河北町生まれ。学生の時ヨーロッパを8ヶ月旅行し、お金がなくなりパリでウェイターのあるバイト中、偶然本屋で見た写真集に興味を覚える。82年、山形大学工学部を1年遅れて卒業。写真を独学し、毎年アジア各地を旅する。90年代は中国やメコン川流域、2000年代から現在まで「日本とアジアの棚田」、「日本の文化的景観(日本人の知恵の風景)」をテーマに撮りつづけ、写真展、新聞雑誌で発表。06年「棚田学会賞」受賞。09年から10年にかけて妻と愛犬を連れて日本一周の車旅をする。北海道から沖縄まで全国すべての都道府県を周る。この犬連れ旅の写真と記事は週刊誌やカレンダーで発表。震災後は、被災地の桜も撮影中。