最近の学生は本当に幸せです。源氏物語を読む時の座右の銘にして下さい。事細かに平安時代の様々な用語が丁寧に解説されています。また、源氏物語のどの部分に掲載されているのかなどまで親切に説明されています。受験生にとって源氏物語は単なる試験問題の対象でしかないでしょうが、もし心に余裕があれば、この書を片手にもう一度じっくりと読んでもらえると、あの時代の美しさからはかなさまでがいかに具に観察されているかを読み取れると思います。ああ、もっと若ければ私の人生ももう少し豊かになっていたでしょうに・・・でもまだ間に合うかな。読み物ではなくても大変いい本です。辞書を読む人には垂涎ものですよ。

この本の素晴らしいところは、『源氏物語』のみならず他の平安古典文学を読むときにも十分使える点である。

内容について述べると、当時の建築物・調度品・乗物・衣服は勿論、色・文様の種類、存在していた音楽や宗教行事・通過儀礼などの基礎知識が丁寧に解説されている。その説明には、本書のタイトルにある通り図版が付されているのだが、カラー写真も時折挿入されている。
その上、『源氏物語』との関連がある場合はそれについても言及している。
よって、『源氏物語』を読みながら本書を開くのも、本書を通読しながら『源氏物語』をひもとき味わうのも可能である。

安価でありながら、『源氏物語』をより深く知るのに十分役立つ著作物であると思う。

もし、各々の事項を更に知りたくなれば、巻末に執筆者名の一覧があるので、執筆者の著作・論文を探せば良いであろう。

源氏物語に登場する、様々なモノ…建物・調度品・服飾・雅楽・舞楽・楽器・生活様式・年中行事・宗教・風習　etc.…を網羅した図解資料集。
精緻な図解資料が600点、解説は1000項目にわたっており、平安時代・王朝文化を隅から隅までカバーしています。

1000年の時を経て、生活様式が大きく変わり、現代人には馴染みがなくなってしまった当時の風俗文化を「垣間見る」ことができ、物語への理解度を深めることができます。
源氏物語ファン必携の書であるとともに、同時代の古典文学を読む際にも役立ちます。

とにかく、この本は平安時代や源氏物語の世界が、詳しくわかる本です。 例えば、源氏の紅葉賀の巻で光源氏と頭中将が青海波を舞う場面がありますが、「そもそも、青海波って、どんな舞?」と思った方必見ですよ。 事細かに説明されています。 他にも信仰や宗教のこと・調度のひとつひとつに対する解説・物語にゆかりのある、植物や動物・あとは貴族の生活の様子なども書かれています。 (ここで全ての項目は書けませんが、知りたいと思うことは大抵載っています) 絵や写真も多いので、わかりやすいです。 これを片手に源氏物語を読めば、ますます奥が深まると思いますよ。 もちろん他の作品(枕草子や土佐日記など)でも十分役にたつと思います。 平安時代・源氏物語が好きな人や興味がある方に、ぜひ、おススメです。