美の旋律、愛の歌、正義の咆哮
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ヴィクトール・ユゴー!フランスの誇る革命的な作家にして、慈愛の政治家、そして壮大にして深奥なる詩境を持つ大詩人。愛しすぎて失敗することはあっても、愛が足りないということの決して無かった人。
豊穣の地フランスの息子、この雄雄しく美しき魂に、私の貧しき言葉の庭、つましい花壇から、心を込めて選び編んだ、敬愛の花を献じます。
若い頃、この詩集にも収められているユゴーの詩を恩師から教わり、非常な衝撃を受けたのを覚えています。「こんな人生を生きた人がいたのか!!」と−。
ユゴーは、触れた人間の人生を変える力を持つ詩人、と言っても言い過ぎではないと思います。
濁悪の厳しき時代を、数多の困難と不遇を矢の様に浴びながら、圧倒的な生命力を漲らせ、獅子の咆哮のごとき言論で敵を蹴散らし、民衆の友として高き理想を掲げて、不屈の詩心を持って生きて生きて生き抜いた、真正の、稀有の民衆詩人!
日本では「レ・ミゼラブル」が有名ですが、小説だけではなく詩もぜひ読んでいただきたい。勇気が出ます。ギリシャ&ローマ神話や、キリスト教の勉強にもなります。できるだけ、若いうちに読んで欲しい!!
余談ですがフランスに旅行した際、現地のフランス人の方に「ユゴーは読みますか、好きですか」と訊いたところ、「好きだよ。フランス人でユゴーを読んだことのない人はいないよ」とおっしゃっていました。 ユゴーは今でも皆に愛されているんだ、と分ってとても嬉しかったです。その後、パンテオンでお墓参りもできて、大感激しました。