1958年、軽薄だがお人好しのティーンエイジャー、ランドン・カーターは、四六時中仲間とつるんで、いつまでも無責任な子どものままではいられないという現実から懸命に目を背けようとしていた。そんな彼がクリスマスの芝居で主役を演じる羽目になる。相手役は町でいちばん有名な優等生、ジャミー・サリヴァン。自分の意志とは裏腹に、また仲間に罵倒されながらも、ランドンは次第にジャミーに引かれ、人生で一番大切なことを学んでいく。
ジョン・アーヴィングの『A Prayer for Owen Meany』(『オウエンのために祈りを』)のように、スパークスはユーモアと感傷の微妙かつ稀有なバランスを保っている。さほど独創的なプロットとは言えないが、涙を誘う‘少年の成長物語’は間違いなくファンを引きつけるだろう。すてきな俳優たちが演じる映画版を探すのもいいけれど、できればティッシュ片手に布団に潜り込み、思う存分涙を流してほしい。(Nancy R.E. O’Brien, Amazon.com)