苦しむ母ちゃんへの愛を淡々と描く
★★★★★
仕事柄、あおったタイトルを考える事が多いのですが、 本書はこの一見ぎょっとするタイトルであおることで手に取る人が 1人でも増えることに価値が十分あると思いました。 この巧いとは言いずらい絵と正直な言葉、表情をもって 母ちゃんの苦しみも、著書の愛も、夫の幸せも全てが まるですぐ隣で起きている出来事のように感じられました。 読んだあとに、良かったねぇ、今までの苦労が報われるねぇと素直に感じました。 面白い少年漫画や青年漫画から綺麗な少女漫画に慣れた人にこそ この漫画のもつ新たな魅力に気付けると思います。 少しでも迷っている方がいたら是非読んでほしいと思いレビューを書きました。 いい大人がこの"漫画"を自信を持って人に勧めます。
素晴らしいタキさんの存在!
★★★★★
本書序盤ではユキさんがお母様の病気をタキさんに詳しく説明しないで
結婚してしまいその事をユキさんがしきりに後悔して
タキさんの前ではなるべく陽性症状を発症させないよう母娘で努力している
(お母様もタキさんに嫌われたくない)シーンが描かれています。
しかしお母様にはその事がかなりのストレスになりいよいよ限界がきてしまいます。
タキさんの何気ない一言や素振りでお母様はタキさんに嫌われていると思い
妄想が激しくなっていくですが…、
タキさんのお母様への思いやりには頭の下がる思いで読みました。
(私にも70歳の母がいますが母娘間てお互いにキレたり
ワガママになったりしやすいのです。)
ユキさんももちろんお母様に対して涙ぐましい気遣いをされていますが
お母様の受け止め方が実の娘にされるのとお婿さんとでは差があるのですね。
タキさんのお母様に対する愛情と心遣いで激しい妄想が減っていきます。
統合失調症の患者さんは偏見に苦しんできたので
自分の存在を認めてくれる人がいることで安心感を持ち
心の安定がとれるのだと思いました。
ユキさんの宅の場合、おおらかで心優しいタキさんと云う存在は
苦労に苦労を重ねてこられたお二人へ神様からのプレゼントなのかも…。
お母様、ユキさんとタキさん、三人がいつまでも幸せにと祈らずにはいられません。
と同時に統合失調症をはじめとするすべての精神疾患に対する偏見・差別が
無くなることを切に願います。
トウシツ患者にはつらい一冊
★★★★☆
7年間トーシツライフです。
この本を読んで、辛いのは家族なんだなぁって思いました。
いままで、辛くて辛くて周りが見えてなかったけれど、
この本に出会って、周囲の人の大切さに気付きました。
早く治して社会生活ができるようになりたいです。
私には幻覚、幻聴、妄想といったものが
まったくありません。ただ、脳が異常に興奮したり、
反対に落ち込んだりの繰り返しです。
そのような状態でもトーシツなんですねぇ。。。
本当のお母ちゃん
★★★★★
幼い頃から苦労しながらもお母さんを大切にしているユキさんも立派だが、それでも愛されているお母さんは例え病にかかっていても、根はとても暖かく優しい人なのだろうな、と前作を読んで思った。
「恥ずかしい」という意識に長年苦しめられてきたというお母さんが自分の半生やプライバシーを漫画に曝け出す事は大変な勇気がいった事だろう。長年培ってきた母子の信頼関係がなくては出来なかった作品だと思う。
今回の「感謝の夜」「家族という安心」の章を読んで「ああ、わかってもらえてよかったね、嬉しいね」と泣いてしまった。
ユキさんもお母さんもタキさんも優しい。強い。
人の心の中に神様がいるんだなあ。
私の家族も、トーシツではありませんが病気にかかっているので、勇気を貰えました。
統合なのだけど、認知症や躁鬱が家族に居る方も読んで欲しい!
★★★★★
著書のユキさん、おかあさん、タキさんみんなそれぞれの気配りや愛情を感じます。
悪い人は出てきません。
2巻となっているのに、1巻と少し似た内容があるなとは思いますが「家族の絆」編となっていたので丁寧に読めば内容が深い事に気がつかされます。
お母さんの幻覚が出た時、夫タキさんが「本当のおかあさんのことわかってるから恐くないよ」と本当に寛大な事をおっしゃったところでは
ユキさん、おかあさん、良かったね、良かったね!と涙が出てしまいました。
だって親子2人でがんばってきたのですものね。
もし、そうゆう症状の方を見かけても、知識を得て偏見持たないでいる事ができますね。
※実はうちは父が認知症です、父が色々することを母は自分のモノサシで見るので「どうして!ドーシテ?」とムキになり、行動に制約をしたりします。
すると穏やかだった父もイライラして、した事を「いていない!」と怒るのです。
認知・統合・・脳がさせているのです。
結婚を期に介護職に就いたというタキさんにもすごいな、そうゆう事を職場で体験をしていて偏見なく対処出来るのだと思いました(かなり寛容な心が無いと難しいことですが)
☆ユキさんの仰っている「知識と仲間のコトバは心の昇華剤」イライラしている事で本気で言い争いになりそうな時、これを心にとめて過ごして生きたと思いました。