やさしい入門書。患者も読めるかも。
★★★★★
今尚、誤解されることの多い統合失調症。現代日本人はまだまだ軽い考え方でこの病気を捉えている。人類の100人に1人の発症率なのに。
漫画ではあるが、入門書のようでとてもわかりやすい。その上、著者の家族が患者で、実体験を踏まえているので、統合失調症の家族はもちろん、患者自身も読む気なれるかもしれないです。それに共感も得やすいでしょう。そして安心できるかもしれません。
無論、「この本読めば統合失調症が治る」そういう保障があるわけではないでしょう。ただ、この病と上手に付き合っていくきっかけになると思います。
「ツレうつ」を出版された細川貂々さんと同じく、この本の著者中村ユキさんも、とても素敵なすばらしい方だと思いました。ご両名とも、心底つらさや悲しさを乗り越えて出版されたはず。
しかし、読み終わっての感想。
「日本人で精神的な病にかかわったことのない人の多くが、誤解・偏見をいまだに持っているかもしれない。政治家や文科省のお偉いさんや教師に読んでほしい。精神的病についての学校教育はかなり遅れて…いや「腫れ物にはさわるな」だと痛感した(性教育・年金教育も同じことが言える)。