患者をみる角度の広さ、深さ、暖かさ、とても優れた内容です。
★★★★★
病を単純に解説していない点、どう付き合い、生きるべきなのかの重要な指針を書き出している点は、本当に感動してしまいました。医療の骨格を熟知し、医師としての的確な解説を書き込んでいるところは、患者本人そして家族、医療関係者の大きな力になると思いました。地域との関係を自立という文字にし、生きる方法をここまで理解している医者はなかなかいないと思います。後世に残したいと思える本だと思います。
ところどころのユーモアが温かいです
★★★★☆
読後、統合失調症が不治の病ではないと希望が持てました。
当然、相応の周囲の理解・協力が必要ではありますが。
著者のチャレンジ精神とユーモアが独特で、好感が持てました。
良書だが母子関係にこだわるのが減点
★★★★☆
全体に良書である。ただ残念なのは著者が統合失調症の
キーワードが「母子分離」の問題であると当然のように
主張する点が減点である。
最新の科学的な観点からは統合失調症の家族原因論は
否定的なことが通説とされているようなので、「母子分離」
の問題に批判なく触れることは患者の悩みをマイナス方向へ
導くだけで無益だと感じる。よって星よっつ。
個人的には三野 善央「レッスン統合失調症」をお勧めします。
多くの立場のに役立つ本
★★★★★
この本、担当医の先生に差し上げたら、「こういう本って、臨床に役に立つんです」と喜んでくださいました。
また、カウンセリングを教え、精神医療にも詳しい知人は、「一般の人、関係者、専門家、誰が呼んでもいい本だね」と言っていました。
手ごろな体裁、値段ですが、内容の濃く、易しい表現ですが、レベルの高い本です。
ただ、話が飛んでいる印象があるので、2,3回読み直す必要があるかもしれませんが、ユーモア満載なので、何度も読みたくなります。
知識と経験と温かみ
★★★★★
精神科医として精神医療に携って何十年、という立場から この本を読みました。
ただただ知識を披露した本、ただただ自分の経験だけを書いている本は山のようにあります。
でも、知識に裏づけられながらも「自分はこう思う」「自分はこのように診療している」とまで書かれた本は きわめて少ない、ほとんどない。
なぜないか、というと そこまで書ける医師がいないのです。
現代の精神科医は 診断も治療もどんどんマニュアル化されていて、患者さんの真実の心に触れることさえないまま 薬だけ処方することに長けている医者が増える一方。
私たちの年代の医師は、人と人との関係の中からしか 心を治す術はないと信じて診療をしてきました。でも その経験をきちんと書けるかというと 書けないのですよね、凡人には!
一見、天衣無ほう に書かれてはいるが、内容は濃く、真実と温かみに満ちています。
私は 医師としても参考になることがいっぱいありました。
当事者や家族の方が読まれる場合は、自分に関係したこと、自分に関心のある部分だけ読んで 心に刻むだけでも とても 参考になること請け合いです。