スカダーの大手柄
★★★★☆
”死者の長い列”から、ぐっと明るくなったマット・スカダー。以前の、作品の全体に漂っていた暗い雰囲気は、あれはあれで味のあるいい雰囲気だったが、明るくなったスカダーと彼の生活を見ると、とても嬉しい気がする。
さて、今回はマスコミに大々的に登場する大事件。人々の意志”People's will”と名乗る人物が、新聞の有名コラムで標的を名指しし、次々に殺害する。そして、名指しされた弁護士がスカダーに調査を依頼するが。。。
今回も、プロットと人物の絡みが絶妙で、最後には3つの事件が収束していく様は圧感!さすがブロック、よくできた交響曲の如く、全てが有機的に結びつく素晴らしい傑作だと思う。
いつもながら、登場人物の一人ひとりが印象的。特に、今回の3人の犯人や被害者は、非常に個性的だ。